半歩先を読む日本最大級のマーケティングサイト J-marketing.net


(2016.03)
月例消費レポート 2016年2月号
長引く消費の低迷-内外景気の不振と円高・株安が消費回復の足かせに
主任研究員 菅野 守

本コンテンツの全文は、有料会員サービスでの公開となっております。
ご利用には有料の会員登録が必要です。
ご登録済みの方は、こちらから全文をご利用ください。
会員のご登録はこちらをご覧ください。

1.はじめに

 2月に入り、円高・株安・低金利の流れに、一段と弾みがついた。長期金利のマイナスも、一過性の特別な事象から、日常でもよく観察されるような持続性のある事象へと、徐々に変わりつつある。内外の景況不振や地政学リスクの長期化は、相場の頭を重くしている。

 2016年1月28、29日の日本銀行政策委員会・金融政策決定会合の場で、マイナス金利の導入が決まった。その主な狙いは、金融機関が保有する日本銀行当座預金の一部にマイナス金利を適用することで、日銀内部に滞留していた金融機関の資金を、最終的には企業への融資あるいは金融資産への投資として市中へ放出させることにある(これは、ポートフォリオ・リバランシング効果と呼ばれている)。だが今のところ、マイナス金利政策によって、日銀が期待していた通りの効果が、マーケットで実現されているとは言い難い。逆に、長期金利のマイナスが一層進行した。リスクテイクに元々後ろ向きだった金融機関は、マイナス金利政策という「北風政策」によって、その身を益々縮めてしまっている。そんな金融機関の姿からは、マイナス金利のダメージを被ってでも国債を抱えている方がまし、と考えている節すら垣間見えてくる。

 政府と日銀はともに、景気の現状認識と先行き見通しに関し、緩やかな回復基調にあるとの見方を、引き続き堅持している。また、アジア新興国等の海外景気の低迷・不振に伴う景気の下押しリスクへの警戒姿勢も、両者で共通している。政府は、2016年2月25日公表の月例経済報告で、景気の基調判断と先行き判断をともに、前月に引き続き据え置きとした。個別項目のうち、海外景気については6ヶ月ぶりに判断を下方修正された。個人消費に関しては、前月と同様、「総じてみれば底堅い動きとなっている」とし、判断を据え置いている。ちなみに、2017年4月からの消費税再増税の影響は、政府と日銀ともに、一旦は考慮外の扱いとされている。当分の間は、海外景気の低迷・不振の悪影響にどう備えるかが、政府と日銀にとっての優先度の高い対応事項となりそうである。


本コンテンツの全文は、有料会員サービスでの公開となっております。
ご利用には有料の会員登録が必要です。
ご登録済みの方は、こちらから全文をご利用ください。
会員のご登録はこちらをご覧ください。


参照コンテンツ


おすすめ新着記事



J-marketingをもっと活用するために
無料で読める豊富なコンテンツ プレミアム会員サービス 戦略ケースの教科書Online


新着記事

2023.11.30

月例消費レポート 2023年11月号 消費は足踏み状態が長引きつつある-年末・年始の活況を契機としたマインド改善が消費復調への足がかりに

2023.11.30

23年10月の「ファーストフード売上高」は32ヶ月連続のプラスに

2023.11.30

23年10月の「ファミリーレストラン売上高」は20ヶ月連続プラス

2023.11.29

企業活動分析 日産自動車株式会社 23年3月期決算は円安追い風で増収増益に

2023.11.28

消費からみた景気指標 23年9月は9項目がプラスに

2023.11.27

23年10月の「全国百貨店売上高」は20ヶ月連続のプラス、インバウンドや高額商品好調

2023.11.27

23年10月の「チェーンストア売上高」は既存店で8ヶ月連続のプラス、食料品が好調

2023.11.27

23年10月の「コンビニエンスストア売上高」は20ヶ月連続のプラス、好天や行楽需要で食品好調

2023.11.24

成長市場を探せ 「巣ごもり」後も割安感で堅調な家庭用冷凍食品(2023年)

2023.11.22

トヨタ自動車株式会社 23年3月期は販売台数伸び増収も、資材高騰で減益に

週間アクセスランキング

1位 2023.11.15

「食と生活」のマンスリー・ニュースレター 食卓に浸透する市販の惣菜 4割弱が週1回以上惣菜を購入

2位 2022.03.11

女性が生み出す6.9兆円の市場―アフタヌーンティーは都心高級ホテルを救えるのか 第1回

3位 2008.07.24

戦略ケース カルフールは何故失敗したのか?

4位 2016.03.16

【マーケティングFAQ】どうすればブランド力を強化できるか

5位 2019.09.10

戦略ケース プラットフォームビジネスで急拡大するウーバーイーツ

パブリシティ

2023.10.23

週刊トラベルジャーナル2023年10月23日号に、当社代表取締役社長 松田の執筆記事「ラーケーションへの視点 旅の価値問い直す大事な切り口」が掲載されました。

2023.08.07

日経MJ「CM裏表」に、当社代表取締役社長 松田の執筆記事が掲載されました。サントリー ザ・プレミアム・モルツ「すず登場」篇をとりあげています。

ENGLISH ARTICLES

2023.04.17

More than 40% of convenience store customers purchase desserts. Stores trying to entice shoppers to buy desserts while they're shopping.

2023.02.22

40% of men in their 20s are interested in skincare! Men's beauty expanding with awareness approaching that of women

2022.11.14

Frozen Foods' Benefits Are Expanding, and Child-raising Women Are Driving Demand

2022.09.12

The Penetration of Premium Beer, and a Polarization of the Growing Beer Market

2022.06.20

6.9 Trillion Yen Market Created By Women― Will Afternoon Tea save the luxury hotels in the Tokyo Metropolitan Area