ボトルネックは機能か価格か? | ||
踊り場迎えた「iPhone 3G」 |
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2008年7月11日、アップル社製のスマートフォン、「iPhone 3G(以下iPhone)」が世界22カ国で同時発売された。日本では、NTTドコモと最後まで競ったソフトバンクモバイル(以下ソフトバンク)がキャリアとなり、発売と同時に長い行列が報道されたものの、その勢いは長く続かず、「失速」もささやかれている。 今回のネット評判記では、当社インターネットモニターを対象に、iPhoneについての関心や購入意向をみていく。
また、主使用端末の月額料金は
この魅力度(非常に魅力を感じる+まあ魅力を感じる)を携帯電話の月額料金別にみてみると、
さらに、携帯電話の月額料金が1万円以上のヘビー層についてみてみると、全体と比べて
iPhoneの情報を積極的に集めながら購入を検討しているのは、携帯電話のヘビー層に多いことがうかがえる。
そのほかには「ワンセグ機能がない」「携帯メールが使えない」といった機能面での不満も散見される。
ここまで、iPhone購入には価格と機能の両面からの障壁が存在することをみてきたが、最後に「iPhoneを購入してもいいと思う条件」をみてみよう(図表8)。 非所有者全体では、
「ガラパゴス」とも評される特殊性をもった日本の携帯市場で、iPhoneが発売から短期間で認知率70%台、所有率1%を獲得したのは一定の成果といえるだろう。 しかし、今回の結果からみる限り、現段階ではiPhoneは、多彩で高機能な携帯端末ときめ細かい料金プランに慣れた国内ユーザーに、タッチパネルを含めたデザイン以上の魅力を感じてもらうことに成功したとは言い難い。 ソフトバンクはライトユーザーへ裾野を広げようと月額の最低料金を引き下げたにも関わらず、普及に弾みがついていない。 また、ヘビーユーザーにターゲットを絞って、ワンセグ、おサイフケータイ、赤外線通信などユーザーが便利に使いこなしている機能を追加で搭載しても、半年に一度モデルチェンジをする「普通の高機能携帯端末」との競争が待っている。 iPhoneは日本市場での成功に向けて早くも踊り場を迎えたといえるだろう。 (2008.09)
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【調査設計】
調査手法:インターネットリサーチ
調査期間:2008年8月27日~8月29日 調査対象者:当社インターネットモニター 15~69歳 全国の男女個人 有効回収サンプル数:1,032サンプル サンプル構成 |