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(2012.12)
消費者調査 番外編 2012年、印象に残ったもの
「ロンドン五輪」「スギちゃん」「iPhone5」... 2012年はどんな年だったか
 2012年はどんな1年だったのか。「トピックス」「人物」「歌」「商品」の四つのランキングからみていく。

印象に残ったトピックス
 2012年、最も印象に残ったトピックスは、「ロンドン夏季五輪」で、有効回答者の3割があげている。日本選手団は「金7・銀14・銅17」で史上最多となる計38個のメダルを獲得した。2位「尖閣諸島(中国)」、4位「竹島(韓国)」、7位「領土問題(前記2件にロシアとの北方領土含む)」という近隣諸国間における領土問題が挙げられた。歴史的にも根深い問題が一気に噴出した年ともいえるが、解決に向けた対話は一向に進んでおらず、まだまだ長期化することが予想される。5位と9位には国政に関する話題が挙げられた。12月16日以降の日本政治はどのように舵を切られるのか。内外における政治の不安定さが露呈した1年であった。
 6位の東京スカイツリー開業、8位の京都大学・山中伸弥教授のiPS細胞の研究に対するノーベル生理学・医学賞受賞は「iPS細胞移植」詐称の誤報騒ぎという「オチ」がついたものの、五輪と併せて日本に明るいニュースをもたらした。

印象に残った有名人
 トップは流行語大賞にも輝いた「ワイルドだろぉ」の芸人スギちゃん。2008年にエド・はるみがトップになって以来、ここ3年程芸人が上位にあがってこなかったが、有効回答者の2割があげ、2位以下を大きく引き離した。大ブレークした芸人は翌年低迷することで「一発屋」で終わるパターンが多いが、スギちゃんの2013年の活躍が注目される。
 2位には橋下徹大阪市長、4位には石原慎太郎日本維新の会代表があげられた。政界の第三極として注目度が高いものの、12月16日の総選挙が大きなターニングポイントとなる。
 これは6位の民主党野田佳彦代表、10位の安倍晋三総裁にもいえることで、誰が舵とりをするにしても、政治不信の中、生活者の厳しい目が向けられることになる。
 五輪の年ということで、金メダリストの吉田沙保里(レスリング)が5位、内村航平(体操)が7位にランクインした。また、ニューヨークヤンキースに電撃移籍したイチローはこのランキングの常連でもある。

印象に残った歌
 トップの「風が吹いている」(いきものがかり)は、NHKのロンドンオリンピック・パラリンピック放送テーマソングである。2位「花は咲く」は、東日本大震災の被災地・被災者の復興を応援するために制作されたチャリティーソングで、「NHK東日本大震災プロジェクト」のテーマソングとして使用されている。作詞は宮城県仙台市出身の映画監督である岩井俊二が手掛け、歌唱参加者は岩手県・宮城県・福島県の出身者とゆかりのある歌手・タレント・スポーツ選手で、名義は「花は咲くプロジェクト」となっている。3位「女々しくて」は、ヴィジュアル系エアーバンドという新ジャンルを開拓したゴールデンボンバーの曲で、2009年に発表されたが、2年以上かけてヒットチャートの1位を獲得するなど最近では異例のパターンで注目されている。
 また4、5位には「印象に残った人」でも8位にあげられた、きゃりーぱみゅぱみゅの曲がランクインした。もともと"青文字系"と呼ばれる雑誌のファッションモデルとして活躍していたが、2011年に歌手デビューするなど、特に同世代女子の支持を集めている。

2012年のヒット商品
 ヒット商品は、2011年に続き携帯端末が上位を占めた。1位は9月に発売された「iPhone 5」で、2位には2011年1位の「スマートフォン」がランクインした。さらに4位には「iPad mini / iPad」で、7位には「タブレット端末」、また8位には「ルンバ」、10位には「お掃除ロボット(ルンバ以外)」というように、ヒットカテゴリーとその中で突出している代表ブランドのセットであげられていることが特徴である。
 5位には、出来事で6位の「東京スカイツリー」が、また飲食料品分野では「塩麹」(3位)、「マルちゃん正麺」(6位)、「トクホコーラ」(9位)の三つがランクインした。かつてヒット商品の上位を占めていた「クルマ」や「家電商品」といった日本の成長期をリードしていた時代を象徴する耐久消費財がランクインしていないあたりが、現在の日本のパワー低下を顕していると言える。


【調査設計】
調査手法:インターネットリサーチ
調査期間:2012年11月27日~29日
調査対象者:当社インターネットモニター 20歳~79歳
        全国の男女個人
有効回収サンプル数:1,117サンプル
サンプル構成(%)



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