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(2006.12)
2006年、印象に残ったもの
-「子どものいじめ自殺問題」「荒川静香」「たらこ・たらこ・たらこ」「ニンテンドーDS」・・2006年はどんな年だったのか?
 詳細データ(単純集計表・クロス集計表)(LZH形式・有料会員サービス)
 2006年は、 子どものいじめ自殺問題や、多数の高校において発覚した未履修問題など、教育問題がクローズアップされました。9月には小泉政権が終わり安部内閣が誕生しました。安部首相は自身の内閣を「美しい国創り内閣」と名付け、オープンな経済社会の構築、健全な社会の実現、教育再生など、「美しい国」の実現のための所信を表明しています。安部首相の政策は曖昧で具体案が見えてこないと評されており、単純明快なマニフェストを掲げて突き進んだ前首相小泉純一郎とは対照的です。スポーツニュースは、荒川選手が冬季オリンピックで金メダルを獲得、日本がWBCで優勝など、多くの明るい話題を提供してくれました。他にも、ハンカチ王子(斎藤佑樹投手)フィーバー、SHINJO選手の引退、松坂大輔選手のメジャーへの移籍などが話題にのぼり、日本人スポーツ選手が目立った年でした。
 この1年で人々にインパクトを残した「トピックス」「有名人」「歌」「商品」について、当社インターネットモニターを対象にインターネット調査を実施しました。回答方式は自由記述で、各項目それぞれについて、最も印象に残ったものひとつを挙げてもらいました。回答を集計した結果をランキング形式でお届けします。


印象に残ったトピックス

 印象に残ったイベントや事件では、全体のベスト3は、
  • 「子どものいじめ自殺問題」     10.2%
  • 「ライブドア・ショック」       8.6%
  • 「FIFAワールドカップ・ドイツ大会」  7.9%
となった。
 1位は子どものいじめ自殺問題である。この問題がクローズアップされることにより、いじめを黙視する学校の体質や、教育委員会や文部科学省の対応の粗さが、改めて浮き彫りにされた。
 2位はライブドア・ショックとなった。良くも悪くもここ数年多くの話題を提供し、IT時代の寵児ともてはやされたライブドアであったが、2006年1月、粉飾決算疑惑による証券取引法違反容疑で堀江社長が辞任し、逮捕。その後は新経営陣のものと再建を目指すも以前のような勢いは完全に失った。
 3位はFIFAワールドカップ・ドイツ大会となった。FIFAワールドカップとは、FIFA主催のサッカーの世界大会で4年に1度開催される。2006年はドイツで開催され、イタリアが世界制覇した。決勝戦でフランスの英雄ジダン選手が相手選手に頭突きをして退場したり、日本のエース中田英寿選手がワールドカップ直後に突然引退発表をしたりなど、話題性が高かった。
 10位までにスポーツ関連イベントが6つもランクインした。3位のFIFAワールドカップ・ドイツ大会、4位のトリノ・冬季オリンピック、5位のフィギュアスケート、6位のWBC(野球)で日本優勝、8位の夏の高校野球、9位の日本ハムの日本シリーズ優勝と、スポーツの話題が印象に残る年であった。

印象に残った有名人

 印象に残った有名人では、
  • 「荒川静香」         14.2%
  • 「SHINJO(新庄剛志)」     7.2%
  • 「堀江貴文(ホリエモン)」   6.1%
がベスト3にランクインした。
 1位はトリノ冬季オリンピックの女子フィギュアスケートで初となる金メダルを獲得した荒川静香選手となった。2位に2倍ちかく差をつけた。荒川選手の活躍は、印象に残ったトピックスランキングで4位となった「トリノ・冬季オリンピック」や5位となった「フィギュアスケート」の人気アップに貢献した。
 2位はSHINJO(新庄剛志)選手となった。2004年から北海道日本ハムファイターズに所属するSHINJO選手は、日本ハムの日本シリーズ優勝に大きく貢献したといわれている。「新庄劇場」と形容される独特のパフォーマンスをみせるSHINJO選手は高い人気を得ていたが、日本シリーズ優勝を果たした10月26日に引退した。
 堀江貴文氏は、当社実施の年間ランキング調査において、2004年(9位)、2005年(2位)、今回(3位)と3年連続で10位以内にランクインした。堀江氏は証券取引法違反容疑で1月にライブドアの社長を辞任し、一連の逮捕から保釈以後、表舞台からは完全に姿を消している。堀江氏の公判は2006年9月から東京地方裁判所で行われている。
 印象に残ったトピックスランキングに続き、印象に残った有名人ランキングでも、スポーツ関連の回答が目立った。1位の荒川静香、2位のSHINJO(新庄剛志)、4位の斎藤佑樹(ハンカチ王子)、6位の中田英寿、10位の松坂大輔と(敬称略)、10位以内に5人のスポーツ選手がランクインした。

印象に残った歌

 印象に残った歌のベスト3は、
  • 「たらこ・たらこ・たらこ/キグルミ」  4.4%
  • 「三日月/絢香」           3.8%
  • 「ありがとう/SMAP」         3.6%
となった。トップで4.4%にとどまり、突出して目立つ曲がなかった。
 1位の「たらこ・たらこ・たらこ」は、キューピー「あえるパスタソース・たらこ」のCMソングである。昭和の名曲「およげたいやき君」、1999年にヒットした「だんご3兄弟」、2002年にヒットした「おさかな天国」に続く人気食べ物ソングとなった。
 2位は、絢香の「三日月」である。デビュー前からライブで歌っていた「三日月」がCDシングルとして発売された。「au by KDDI LISMO Music Store」のテレビCMソングに使われたこの曲を耳にした人も多いことだろう。
 3位はSMAPの「ありがとう」となった。この曲は、SMAP・草彅剛が主演するテレビドラマ「僕の歩く道」の主題歌である。SMAPの曲は、2003年に1位、2004年に9位となった「世界に一つだけの花」、2005年に9位となった「BANG!BANG!バカンス!」、今回3位の「ありがとう」、今回8位の「Dear WOMAN」と、当社ランキングに常にランクインしている。
 「印象に残った曲」のランキングは、毎回「なし・わからない」の回答が多い。今回、曲名を挙げた人が54.4%、なし・わからないと答えた人が44.0%、不明が1.6%となった。iPodなど携帯音楽プレーヤー、携帯電話での「着うたフル」といった端末やサービスの拡充により音楽シーンは増えているように思われるが、コンテンツとして大ヒットしているものが少ないのが現状である。

話題になった商品

 今回のランキングでは、
  • 「ニンテンドーDS/任天堂」  26.4%
    (Lite含む)
  • 「Wii/任天堂」        7.4%
  • 「PS3/SCE」          5.8%
と、家庭用ゲーム機が上位を占めた。
 1位と2位に任天堂の製品がランクインした。トップのニンテンドーDSは、2006年上半期ランキングからトップを維持しており、根強い人気があることがうかがえる。12月2日に発売されたWiiは、初期出荷分40万台のほとんど全てが発売日に店頭から姿を消した。Wiiは、今までコンピュータゲームをしなかった人々に訴求する新しいタイプの製品として話題を集めている。任天堂は今波に乗っている企業のひとつだろう。
 3位のPS3は、高性能と初期出荷台数の少なさが話題になった。
 4位にiPod、5位にMixi、6位に液晶テレビ、8位にワンセグ携帯電話、9位に携帯電話全般、10位にソフトバンク携帯とプラズマテレビがランクインしており、情報デジタル関連の話題が世間の関心を集めていることがうかがえる。
 7位には、印象に残った有名人ランキングで4位になった斎藤佑樹選手(ハンカチ王子)が使って話題となったタオルハンカチがランクインした。

 以上、今回のランキングを総括してみると、2006年に開催されたスポーツイベントのインパクトの強さが確認できる。冬季オリンピック、野球のWBC、サッカーのワールドカップ、夏の高校野球、日本シリーズが立て続けに開催された。冬季オリンピックでは荒川静香選手、夏の高校野球では斎藤佑樹選手(ハンカチ王子)、日本シリーズではSHINJO(新庄剛志)選手といった時の人を生み出した。平和の象徴とも言えるスポーツイベントが一段落した現在、子どものいじめ自殺問題や、北朝鮮の核実験などの緊迫した問題が目立つ。
 政府は2006年11月の月例報告で、現在の景気拡大期間が連続58ヶ月になったとの認識を示した。戦後最長の景気拡大記録が塗り替えられることになった。戦後最長の景気拡大といわれても、生活実感を伴わない国民が多いのではなかろうか。景気回復の恩恵は一部企業にとどまっており、国民の家計にまでは及んでいないといわれる。安部新内閣には、家計も潤う息の長い経済成長を目指した政策の実施を期待したい。
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【調査設計】
調査手法:インターネットリサーチ
調査期間:2006年12月7日~10日
調査対象者:当社インターネットモニター 20~49歳
        全国の男女個人
有効回収サンプル数:636サンプル
サンプル構成(%)
男女別年代比率(%)

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