(2004.12)
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現代日本の掃除事情 |
進む掃除の簡便化、お手軽使い捨て用品の使用頻度増
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日本の伝統的な掃除器具といえば、雑巾、ほうき、はたきなどが思い浮かびます。それが、高度成長期には電気掃除機が普及し、最近ではモップ型ワイパーなどトイレタリー用品にまで広がっています。掃除器具が多様化するなか、家庭の掃除実態はどのようになっているのでしょうか。
今回は、当社が選んだ主な掃除用品10器具についてインターネットモニターに対して行った調査結果をランキング形式でお届けします。
「家庭で所有している」「使用している(平日)」「使用している(休日)」「使用している(大掃除)」「今後(も)使用したい」の5項目でトップ3に入った掃除器具は、布雑巾・紙パック式掃除機・モップ型ワイパー。これら3器具は、現在の日本家庭の主要掃除器具といえそうである。
平日の掃除における器具の使い方をみてみると、紙パック式掃除機が56.3%で1位、次いでモップ型ワイパーの44.2%となっている。これに対し、大掃除をみてみると、布雑巾が70.2%で1位となった。大掃除での布雑巾の使用率は平日や休日よりも約3割高い。大掃除では拭き掃除の比率が高まるようだ。
「2年前と比べて使用頻度が増えた」掃除器具では、モップ型ワイパーとおそうじ紙シートといった簡便性を追求した製品が上位2位を占めた。モップ型ワイパーには、ワイパーの先に付ける使い捨てシートが「ドライ」「ウェット」「つやだし」など数種類あり、場面に応じて多様な使い分けが可能だ。このような使い勝手の良さが、モップ型ワイパーの普及につながっているものと思われる。
「家庭で所有している人ベースの今後(も)使用したい」掃除器具では、サイクロン式掃除機が1位となり、2位と10ポイント以上の差をつけた。サイクロン式掃除機とは、紙パックを使わずに吸い込んだゴミだけを取り出す掃除機で、「排気がきれい」ということを売りにしている。サイクロン式掃除機に対する満足度の高さがうかがえる。サイクロン式掃除機の家庭所有率は約2割にすぎず、今後紙パック式に替わって拡大する可能性が高い。
サイクロン式掃除機は、ドラム式洗濯機と並ぶ最近のヒット白物家電製品である。掃除器具は、電化製品とトイレタリー製品の2つの道に分かれて進歩し、それぞれがライフステージや住居形態などの条件により消費者に受け入れられている様子がうかがえる。
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