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(2014.07)
睡眠を支えるマットレス競争
~エアウィーヴの価値伝達~
戦略研究チーム

構成
  成長する"睡眠"市場
  新興のエアウィーヴ
  品質至上主義による失敗
  商品の品質を伝える
  他社動向
  エアウィーヴの今後の展開
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 近年、マットレスの市場規模が急速に拡大している。フィギュアスケートの浅田選手をはじめトップアスリートの間では高い人気を獲得していたが、一般消費者に人気が飛び火し購入者が増加している。歴史ある国内寝具メーカーや外資系の大手寝具メーカーがしのぎを削るマットレス市場でひと際存在感を増しているのが機能性マットレス「エアウィーヴ」を展開するエアウィーヴ社である。同社は2007年に寝具市場に参入するが、全く商品の売れない一中小企業に過ぎなかった。しかし徐々に快進撃を見せはじめ、2013年には93億円を売り上げる有力プレーヤーとして名乗りを上げるまでになった。エアウィーヴをヒットに導いたのは価値を伝えるための三つの取組みである。本稿ではエアウィーヴの成功の要因を探る。




成長する"睡眠"市場

 残業の増加や、共働きの増加といった仕事量の増加などに伴い日本人の睡眠時間は減少している。現に平成8年の7時間47分から平成23年の7時間42分へと睡眠時間の減少傾向が見て取れる(総務省「社会生活基本調査」)。

 "量"を確保出来ず睡眠不足に悩まされるようになると、「"質"を高めたい」というニーズが誕生した。"深い眠り"や"スッキリとした目覚め"が求められ始めたのだ。

 睡眠の"質"に対するニーズが高まるにつれて、様々な睡眠関連の商品が発売されるようになった。その先陣を切ったのは枕である。低反発枕といった機能性枕の発売や、オーダーメイドサービスの誕生など商品・サービスが充実していった。また枕以外にも照明やアロマ、ヒーリングミュージックなど、睡眠に関する市場は裾野を広げ、規模を拡大していった。

 機能性マットレスが存在感を増し始めたのは2010年頃である。機能性マットレスの躍進を引っ張ったのは主に黒船マニフレックス、伝統の西川産業、新興のエアウィーヴの3社であった。

 マニフレックスは75カ国で展開するイタリアの寝具メーカーである。同社の機能性マットレスは独自の新世代ポリウレタンフォーム<エリオセル>を用いることで、柔らかすぎず硬すぎない理想的な弾力特性と復元性を可能にし、睡眠時の身体の圧力を均一に分散することが出来る。


 西川産業は1566年創業の企業であり、布団をはじめとした寝具の取扱いにも100年以上の歴史を有している。同社が2009年より製造・販売している機能性マットレス「エアー」は、身体にかかる圧力を分散させる特殊立体構造により良好な寝姿勢の維持を助けることで、睡眠の質を高めている。







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