社会経済研究チーム 松田久一、吉野太喜

地図出版は、ゼンリンと昭文社がほぼ同規模の売り上げを誇り、市場を2分している。ところが、地図事業全体ではゼンリンが昭文社の約3倍と圧倒している。ゼンリンは直近3年間は売上高で年平均4.2%成長、利益では何と24.3%増と好調に推移しているが、昭文社は1.3%の減収、9.1%の減益と不振にあえいでいる。
両社の事業は主に、書籍販売が主力の地図出版関連と、カーナビやパソコン向けのソフト販売やインターネットでの地図情報配信サービスを主力とする電子地図関連のふたつである。地図出版は出版不況の影響も受け、この5年間で両社とも売り上げが約15%減少と低迷が続く。
図表1.2強の業績比較

電子地図の市場規模は約850億円と、この数年は年率10%以上の成長を見せている。電子地図を利用した地理情報システム(GIS)全体では、カーナビなどの民需に自治体や国の需要を加えて、2005年の約3.5兆円から、2010年には約6兆円に膨らむと試算される。
ゼンリンは電子地図関連だけで売上高の半分以上を稼ぎ、昭文社に10倍以上の差をつけている(図表1)。この分野での取り組みの違いが業績面で両社の明暗をはっきり分けており、今後も重要性は増しそうだ。なぜこれほどの大差がついたのだろうか。
おすすめ新着記事

消費者調査データ キャッシュレス決済 「PayPay」独走、すでに国内のデファクトスタンダードか?
拡大が続くキャッシュレス決済。調査結果から見えてくるのは「PayPay」の独走だ。デファクトスタンダードに近づく「PayPay」の実力は?

成長市場を探せ V字回復で3年連続過去最高更新の宿泊業
宿泊業の売上高が、3年連続で過去最高を更新し続けている。成長のけん引役は、円安で割安感が増したことから増加したインバウンドだ。同じく円安で海外から国内旅行に切り替えた国内の旅行客も売上拡大を後押し、高騰する宿泊費がさらに成長を後押しする。

「食と生活」のマンスリー・ニュースレター ドラム式洗濯乾燥機はもう当たり前? 所有率25%、20代にも広がる理由
ドラム式洗濯乾燥機をはじめとする高機能家電市場が拡大している。本調査では、どのような人が購入しているのか、その属性と背景を分析した。


![戦略家のための知的羅針盤[エム・ネクスト]product by 松田 久一](/img/mnext-sub-title.png)