半歩先を読む日本最大級のマーケティングサイト J-marketing.net

(2001.03)
DAIMLER CHRYSLER
-トヨタに負けたベンツ
戦略分析チーム 合田



 高級車の代名詞であったベンツに異変がおきている。米国市場ではトヨタのレクサスの、そして日本市場では同じくトヨタのセルシオの後塵を拝している。
 ベンツに何が起こったのか。
 そのつまづきの原因は、商品政策の失敗による、低価格へのシフトやブランドイメージの拡散などである。
 失速したベンツに再生の道はあるのか。

1.米国、日本の高級車市場でトヨタに負けたベンツ
図表1 米国高級車市場の上位5ブランド
(台数ベース)(単位:台)
 米国と日本の高級車市場で異変がおきている。
 米国の高級車市場では、2000年トヨタ自動車のレクサス(トヨタが米国で展開する高級車カテゴリーのブランド名)が、前年に首位だったメルセデス・ベンツを抜いて首位にたった(図表1)。米国の高級車市場はここ数年一貫して成長しており、2000年は前年比110%の204万台であった(図表2)。その高級車市場でレクサスが前年比111%の20万6,037台、ベンツが前年比109%の20万5,614台と、レクサスが僅差(423台)でベンツを上回った。安価な小型車イメージを払拭するために、トヨタが高級車ブランド「レクサス」を導入したのは89年である。レクサス専門のディーラー網を形成し、大規模なプロモーション展開を図るとともに、7つの商品(セルシオ、アリスト、ウインダム、アルテッツア、ランドクルーザー、ハリアー、ソアラの七つ。いずれも米国ではレクサス+製品番号名で販売されている)を順次投入することによって、ベンツを抜いた。
 一方、日本の高級車市場では、昨年8月にモデルチェンジしたトヨタ自動車の「セルシオ」が9月に月間販売目標の12倍強となる2万5,000台を受注する等、トヨタの高級車が好調ななか、ベンツの国内販売台数が減少している(図表3)。今年1月には国内販売の不振から、25モデルを対象に平均9%の値下げに踏み切った(図表4)。

 本コンテンツの全文は、会員サービスでのご提供となっております。
 以降の閲覧には会員サービス(有料)へのご登録が必要です。

会員サービスご登録についてはこちらをご覧ください。
会員サービスご登録済みの方は、下記をクリックして全文をご利用ください。






お知らせ

2024.03.25

当社合田執筆の「猛スピードのクルマはいらない」 これからの高齢化社会に必要な“まちづくり”とは何か? そのヒントは欧米になかった!」がメルクマールに掲載されました。

新着記事

2024.07.26

消費者調査データ 炭酸飲料(2024年7月版)  首位「コカ・コーラ」、迫る「三ツ矢サイダー」、高い再購入意向の無糖炭酸水

2024.07.25

24年5月の「広告売上高」は、6ヶ月ぶりのプラス

2024.07.24

24年5月の「旅行業者取扱高」は19年比で72%に

2024.07.23

24年5月の「商業動態統計調査」は2ヶ月連続のプラス

2024.07.22

企業活動分析 キユーピー株式会社 23年11月期は海外など好調で増収も原材料高騰で2桁減益に

2024.07.22

企業活動分析 カゴメ株式会社 23年12月期は引き続き海外事業がけん引し増収増益に

2024.07.19

企業活動分析 ライオン株式会社(2023年12月期) 増収も土地譲渡益の反動等で減益に

2024.07.19

企業活動分析 ユニリーバ(Unilever)(2023年12月期) 減収減益、事業部門の業績格差受け、新成長戦略を修正へ

2024.07.19

24年6月の「景気の先行き判断」は3ヶ月連続で50ポイント割れに

2024.07.18

24年6月の「景気の現状判断」は4ヶ月連続で50ポイント割れに

2024.07.17

MNEXT 円安は歓迎すべきかー過熱する円安論争

2024.07.16

企業活動分析 山崎製パン株式会社 23年12月期は大幅な増収増益で過去最高益に

2024.07.12

消費者調査データ スポーツドリンク・熱中症対策飲料(2024年7月版) 首位「ポカリスエット」、追い上げる「アクエリアス」

2024.07.11

24年5月の「消費支出」はふたたびマイナスに

2024.07.10

24年5月の「家計収入」は20ヶ月ぶりのプラス

2024.07.09

24年4月の「現金給与総額」は28ヶ月連続プラス、「所定外労働時間」はマイナス続く

2024.07.08

企業活動分析 大塚HD 23年12月期は売上は過去最高を記録、医療事業の減損損失で減益に

2024.07.08

企業活動分析 小林製薬の23年12月期は、R&Dや宣伝広告への積極投資を行い増収減益に

2024.07.05

成長市場を探せ 初の6,000億円超え、猛暑に伸びるアイスクリーム(2024年)

週間アクセスランキング

1位 2017.09.19

MNEXT 眼のつけどころ なぜ日本の若者はインスタに走り、世界の若者はタトゥーを入れるのか?

2位 2024.07.03

MNEXT コロナ禍の前中後の内食もどりはあったのか? -食欲望の現在-

3位 2024.03.13

戦略ケース なぜマクドナルドは値上げしても過去最高売上を更新できたのか

4位 2019.09.10

戦略ケース プラットフォームビジネスで急拡大するウーバーイーツ

5位 2024.03.08

消費者調査データ カップめん(2024年3月版)独走「カップヌードル」、「どん兵衛」「赤いきつね/緑のたぬき」が2位争い

パブリシティ

2023.10.23

週刊トラベルジャーナル2023年10月23日号に、当社代表取締役社長 松田の執筆記事「ラーケーションへの視点 旅の価値問い直す大事な切り口」が掲載されました。

2023.08.07

日経MJ「CM裏表」に、当社代表取締役社長 松田の執筆記事が掲載されました。サントリー ザ・プレミアム・モルツ「すず登場」篇をとりあげています。

ENGLISH ARTICLES

2023.04.17

More than 40% of convenience store customers purchase desserts. Stores trying to entice shoppers to buy desserts while they're shopping.

2023.02.22

40% of men in their 20s are interested in skincare! Men's beauty expanding with awareness approaching that of women

2022.11.14

Frozen Foods' Benefits Are Expanding, and Child-raising Women Are Driving Demand

2022.09.12

The Penetration of Premium Beer, and a Polarization of the Growing Beer Market

2022.06.20

6.9 Trillion Yen Market Created By Women― Will Afternoon Tea save the luxury hotels in the Tokyo Metropolitan Area