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公開日:1999年01月01日

シリーズ「崖っぷちからの復活」第4回
株式会社丸井
-アンチ百貨店戦略で、強い丸井を取り戻す
戦略分析チーム

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 全国の百貨店の前年同月比売上高は1997年4月以来1999年5月に至るまでほぼ一貫してマイナスを続けており、回復の糸口はなかなか見つからないのが現状だ。そんな未曾有の不況に苦しんでいる百貨店業界にあって丸井が元気だ。

 丸井といえば1980年代半ばから1990年代初めにかけてのDC(デザイナー&キャラクター)ブランドブームの立て役者であり、バーゲンともなれば開店待ちの客が徹夜で行列をつくったものである。しかし、DCブランドへの依存度が高かっただけに、ブームの終焉とともに一転して苦況に立つ。上場以来30期連続の増収増益と成長を続けていた丸井にとって初めての試練であった。

 そこからの立ち直りのプロセスは、丸井の原点である「若者の求める特徴ある商品を豊富に揃え、適正価格で販売する」ことに戻ることであり、「百貨店とは同じことをしない」という徹底したアンチ百貨店戦略の推進のプロセスでもある。


30年連続の増収増益の成長期

 丸井は現社長青井忠雄の父、青井忠治が1931年に東京・中野で月賦販売店を創業したのが始まりである。創業時から小型店を多店舗展開してきたが、1960年代以降、積極的に様々な戦略を打ち出す。1990年まで続く高成長の始まりであり、それを支えた要因ということになる。

 ひとつの柱は、月賦販売を「クレジット」という言葉に変え、イメージアップを図るとともに、コンピュータ顧客管理システムを開発し、ヤング層のファンを獲得していったことである。1964年には専門業者による代金集金方式から購入者の来店払い方式に変えるとともに、コンピュータシステムの導入を図り、1972年には現在の基本的な代金回収システムを作り上げる。店頭即時発行の「赤いカード」で若者を引きつけ、1983年には現金販売も取り入れている。

 ふたつめは、丸井の店舗戦略の中心となる「スクラップ&ビルド」の展開である。小型店舗を整理統合して大型店舗づくりに着手し始めた結果、売上高は大きく伸び、店舗効率も上昇していく。とくに注力したのが基幹店である新宿店だ。様々な業態を含めて現在、新宿には6店の丸井があるが、この新宿店を核としながら首都圏の「駅の前」にこだわって新規出店、増改築をかさねていき、現在の店舗数は34を数える。老舗百貨店が比較的弱い若者にターゲットを絞り込み、商品構成をファッション関連に特化し、若者向けファッションだけは他社には負けない店づくりを徹底して実現した。

 さらに忘れてはならないのが1981年に打ち出された「サービス事業拡大」戦略である。具体的には、運転免許、電話プラン、車検、スポーツプランなどのクレジット・サービス商品を開発・販売ということになる。

 これらの戦略が功を奏し、丸井は業界では例を見ない高収益構造の小売業として成長し、株式上場以来1990年まで、30年間の増収増益が続く。とくにDCブランドブームに沸く1991年1月期の決算は、売上高5628億円、経常利益628億円といずれも過去最高を達成している。


初めての減収減益決算

 売上依存度の高かったDCブランドブームの終焉とともに、丸井の業績は一転して苦戦を強いられることになる。1992年1月期の決算では経常利益が前年比マイナスと、ついに連続増収増益の記録が途絶え、1993年から1995年までは3年連続で減収減益決算となる。1995年1月期の実績は1991年に比べ、売上で732億円、経常利益では実に394億円のマイナスとなった。

 同社の高収益の要因は、クレジット販売で高額品を売ることにあったわけだが、バブル期に現金販売比率が急上昇し、ピーク時には50%あったクレジット販売比率が1994年には25%にまで落ち込んでいる。長期不況でヤング層も低価格志向を強め、現金で安い商品を選ぶようになり、経常利益の落ち込みは避けられなかったのである。


図表 丸井の売り上げと経常利益の推移
図表



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「危機への対応-アンチ百貨店戦略の推進」

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