「消費経済レビュー」第5号を発刊いたします。 戦後最長の、実感のない名前のない、順調な好景気が続いています。しかし、グローバルな市場競争の現場では、大変動が起こっています。 激変市場を制するには、よりグレードアップしたマーケティングと競争戦略の考え方が必要になります。 顧客の満足を追求するのでは及ばず、顧客価値を最大化する情報発信のオープン化が必要です。ものづくりの強さをさらに活かすには、コンテンツとコンシェルジュサービスとの補完関係が有効です。顧客説得の鍵はバーチャルネットワークとリアルネットワークを結びつけるゲートウェイを見つけることにあります。 これらの顧客価値を追求する半歩先の競争戦略は、異なる顧客を結びつけ、ネットワーク外部性を活かす市場多面化(マルチサイド・マーケット)です。 第I部と第II部は、2006年11月15日に行われた当社イベント「NEXT VISION 2007」の講演録と、同日使用したプレゼンテーションをもとに修正・加筆したものです。 第I部「革新の『見えないエンジン』とプラットフォーム」は、現在ハーバードビジネススクールの準教授アンドレイ・ハジウ氏による、あらゆる産業において競争優位の鍵を握るコンセプトとなる「プラットフォーム」についての講演内容です。 第II部「産業融合下の市場多面化(MSM)戦略」は、アンドレイ・ハジウ氏の講演を受けて、プラットフォームをいかに具体的なビジネスに応用していくか、ということをご提案しています。 第III部「垂直統合・非統合の経済分析」は、経済モデル分析によって、企業間での垂直統合・非統合の決定要因を明らかにするものです。 少し先のビジネスを展望してください。皆様の実務にお役に立てるものと思います。 2007年1月
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