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消費経済レビュー Vol.25
Economic Outlook for Japan
-消費見通しは悲観的か楽観的か

 実質GDPは、消費税増税に伴う需要の反動減の影響を引きずり、大幅なマイナス成長となった。足許では需要の三本柱が揃って低迷しており、民間最終消費支出の大幅の落ち込みに加え、民間企業設備投資の失速が、GDP成長率の不振に更なる追い打ちをかけている。増税後の需要反動減の影響で在庫の積み上がりも顕在化しており、景気回復のもたつきが長引けば、企業側は在庫調整・生産調整を迫られる恐れもある。
 商業販売では反動減からの回復の動きが着実に進展しているが、消費支出は回復にもたついている。消費マインドも足許では一旦足踏み状態となっており、想定外の事件による生活不安の高まりとともに、物価上昇のマイナス・インパクトにも併せて注意が必要だ。他方で、雇用環境と所得環境はともに増税後も堅調さを保っており、引き続き消費回復の足取りを支える要素となろう。
 日本経済に関するシンクタンク各機関のシナリオを総合すると、2014年度は、外需は堅調だが、投資と消費は低迷し景気は鈍化するとの見方が最有力だ。2015年度は、「外需は低迷するが、投資と消費を支えに景気は回復する」という楽観論と、「消費は堅調だが、外需と投資は低迷し景気は鈍化する」という悲観論とに分かれている。
 弊社の独自調査によると、景気と雇用環境の見通しでは改善の動きが復活している。収入状況や収入見通しでも改善の動きを取り戻している。支出意欲にも、足許で前向きな動きが認められる。消費者の層の違いによらず、消費をとりまく環境の改善が確認できる。
 2014年度の日本経済の先行きを占うと、確定要因として、第2回目の増税は実施のシナリオがやや優勢の見込みだ。政府・与党は景気下支え策に含みを持たせ、日銀も追加緩和の余地を残している。在庫調整と生産調整に関しては、景気のもたつきがみられるが底割れには至らず、暫くは在庫積み上がり局面に留まる。物価上昇率はインフレ目標の+2%には届かず、低インフレ状況が続く。海外景気は緩慢ながらも回復傾向を保ち、輸出も勢いは弱いながらも底堅く推移する。不確定要因である「設備投資」「雇用・収入環境」「個人消費」について弊社の見解を示すと、設備投資は、景気や輸出が底堅く推移する下で、先行き成長期待を材料に前向きの動きが出てくる。雇用環境は、内需関連業種を中心に改善の動きが持続する。収入環境は、2014年内に景気回復の兆しが見えてくることから、企業業績の堅調さも後押しに改善の動きが続く。個人消費は、緩慢ながらも反動減からの回復の動きは着実に進む。日常生活財主導で消費は回復するが勢いは力強さに欠ける。一部大型耐久財(特に住宅)での需要低迷は長引きそうだ。消費マインドはダウンサイド・リスクを抱え、ショックの出方次第では消費を下押しする恐れもあり要注意だ。
 日本経済の先行きに対する弊社の総合的な判断は、雇用・収入環境の良好さを背景に、設備投資も個人消費も堅調な推移をみせていく「内需拡大・景気本格回復シナリオ」を採用したい。次善のシナリオとしては、設備投資は堅調に推移し、雇用・収入環境の良好さを保つものの、個人消費は回復にもたつき暫し鈍化・低迷する「投資堅調消費低迷シナリオ」と、設備投資は一旦鈍化・低迷するも、雇用・収入環境の良好さを背景に個人消費は堅調な推移をみせていく「消費堅調・投資低迷シナリオ」のふたつを挙げておきたい。


(2014.10)


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