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消費経済レビュー Vol.21
Economic Outlook for Japan -マインド主導で反転回復する景気と消費

 実質GDPはマイナス成長を脱し、景気の失速にも歯止めがかかった。民間最終消費支出は堅調だが、輸出は中国向けとEU向けで不振が続いており、海外の実体経済は弱含みで推移する中で外需の先行きにも不透明感がつきまとう。企業側の慎重姿勢の下、設備投資は先行き抑制気味であり、大企業では削減の見込みだ。在庫調整は進んでいるが、生産の回復の鈍さから調整の足取りは重い。生産財と消費財では調整ペースが上がるが、投資財では足踏みがみられる。
 消費支出は2012年10月を境に勢いを取り戻している。選択的支出が牽引役となる一方、基礎的支出が足を引っ張る格好だ。商業販売は2012年10月前後で底打ちするも、小売を中心に回復の動きは鈍く、販売面からは足許の景気は盤石とは言い難い。収入の先行きには明るい材料も出てきてはいるが、雇用環境と収入環境のいずれも、改善への動きに立ち遅れが目立っている。政権交代を境に消費マインドの急回復ぶりが際立っており、消費にとっても力強い追い風となっている。
 日本経済に関するシンクタンク各機関のシナリオを総合すると、2013年度は景気鈍化のシナリオが基本線であり、2014年度は個人消費を中心に内需がスランプに陥り外需への依存を深めるシナリオが主流だ。アベノミクスの成否が最大の不確定要素であり、今夏に向けて所期の成果通りに外需と個人消費が回復していくかどうかで、景気の先行きは分かれそうだ。
 弊社の独自調査によると、景気と雇用環境の見通しは急速に改善している。収入状況と収入見通しのいずれも、改善の動きが認められる。ただし、支出状況は実態面と意向面ともに、不変・現状維持が大勢となっており、方向感は定まっていない。
 2013年度の日本経済の先行きを占うと、確定要因として、アベノミクスの下で金融・財政政策の効果が出始めるのは、早くても2013年半ば以降の模様だ。設備投資は、企業側の慎重姿勢は崩れず、2013年度以降も低迷は続く。在庫・生産調整のペースは、ややスローダウンしそうな気配だ。輸入財経由での物価上昇の動きや「リフレ政策」のアナウンスメント効果でインフレ期待も高まるが、実際のインフレには至らず、「インフレ目標2%」の達成も先の話となろう。不確定要因である「輸出」「雇用・収入環境」「個人消費」について弊社の見解を示すと、輸出は、中国と欧州向けでの低迷が足を引っ張り、今後も弱含みで推移する。雇用・収入環境のうち、雇用は、堅調な推移が見込まれる。収入は足許で低迷が続くものの、2013年夏のボーナスでは改善への期待感が高まっており、今後、企業業績回復が収入増加へとつながる可能性も期待される。消費については、経済見通しや収入見通しに引き続き明るさがみられ、消費マインドの改善も持続すると目される。ただし、円安に伴う物価上昇のインパクトがより大きなものとなれば、消費を冷やす恐れもある。
 日本経済の先行きに対する弊社の総合的な判断は、輸出は失速するも、雇用・収入環境は良好さを保ち、個人消費も堅調に推移する「内需堅調外需低迷シナリオ」を採用したい。次善のシナリオとしては、「外需低迷消費頼みシナリオ」と「内外需拡大景気回復シナリオ」のふたつを挙げておきたい。シナリオを狂わせる最大の要因は、今後のアベノミクスの成否である。円安に対する世界からの猶予期間は長くはなく、今夏に向けて収入改善への期待をつなぎとめる一手が必要だ。輸出と雇用・収入環境の改善につまずけば、消費頼みの回復にも限界が来よう。今後の日本経済の行方を左右する岐路に、我々は直面している。
(2013.06)


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