今号の概要は以下のとおりです。
「Economic Outlook for Japan-消費復調への条件は整いつつある」では、前号が発刊された2014年10月以降の経済情勢を整理し、雇用・収入環境の堅調ぶりと消費マインドの回復基調から、復調への条件が出揃いつつある日本の景気と消費の現状と今後を概観します。
「格差消費-再階層化社会の下での消費の姿」では、格差を巡る議論の中で関心を寄せられてこなかった「消費の格差」に着目し、格差を測る新たな指標に基づき幅広い支出項目を対象に支出水準の格差を評価するとともに、消費の格差が収入や資産の格差とどう関連しているのかを検討します。
「格差拡大と階層化に関する論考-Thomas Piketty『Capital in the Twenty-First Century』を手がかりに-」では、全世界的なブームを巻き起こしたトマ・ピケティの『21世紀の資本』の概要を紹介し、著名な経済学者による論評をもとに『21世紀の資本』の成果と課題を明らかにするとともに、日本という立ち位置からの理解と評価をベースに、格差拡大や階層化の進展が日本経済に及ぼす影響を考察します。