
東洋製罐グループホールディングスの2017年3月期の連結決算は、売上高7,795億円(前年比2.8%減)、営業利益は362億円(前年比11.9%増)の減収増益となった。減収となった要因は、包装容器関連機械設備や飲料容器などの販売が低調に推移したことと、円高の影響により海外子会社の売上高が減少したことにある。一方で増益となったのは、グループ全体のコスト削減効果が出たこと及び原材料・エネルギー価格が前期を下回ったことによる。セグメント別にみると、包装容器関連事業・鋼板関連事業・機能材料関連事業において売上高が前年度より減少しており、厳しい結果となった。2016年4月には、ホッカンホールディングス株式会社の経営統合に関する基本合意書を締結したが、12月時点で経営統合の延期が発表されており、いまだノウハウの共有による効果は得られていない。2016年度は、第四次中期経営計画の初年度であり、計画における数値目標は達成したものの、今後は包装容器の国内における市場規模拡大が期待できない中で、いかにグローバル企業に成長していくかが課題となってくる。5月に創立100周年を迎えた2017年度は、中期経営計画を推進し、「容器をコアとして周辺分野へ発展したグローバル企業」に成長するための「基盤固め」を行っていくことが期待される。
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