アシックスの2019年12月期の連結決算は、売上高3,781億円(前年同期比2.2%減)、営業利益106億円(同1.1%増)と、減収増益となった。現地通貨ベースでパフォーマンスランニングおよびオニツカタイガーが好調に推移したが、アパレル・エクィップメントが低調であったことに加え、為替換算レートの影響により売上高は減少した。営業利益については、積極的なマーケティング投資を実行したが、前年度末の事業構造改革などで販売費及び一般管理費が減少したことで増益となった。2019年は、さらなる成長に向けた行動計画「アクションプラン」(2018年8月策定)に基づき諸施策を着実に実行した。カテゴリー基軸の経営管理体制に移行し、四つの重点施策(パフォーマンスランニングで勝つ、オニツカタイガーの拡大、中国本部により成長を加速、デジタルを新たな成長ドライバーに)を設定し、グローバルレベルでの顧客基盤の拡大、ブランド価値の向上を図った。2020年度は、期初の1~2月は海外地域の売上が伸び好調なスタートを切ったものの、第2四半期累計期間の連結業績は減収減益、営業赤字となった。厳しい状況下だが明るい材料もみられる。数年来注力してきたEコマースについては、連結売上が前年同期比2倍超の成長を見せるなど好調に推移。外出自粛で運動機会が減少する中、新たにランニングやウォーキングをはじめる人が世界中で増えていることに対応し、最重要課題である「パフォーマンスランニングで勝つ」の実現に向け、全てのランナーに向けた商品のフルラインナップと同時に、デジタルを軸にサービスを強化し、お客様のスポーツ体験に新たな価値を提供することを目指す。
参照コンテンツ
- 戦略ケース アシックス~低迷からのV字回復を実現したオニツカのキリモミ商法(2015年)
- 戦略ケース 消費拡大層を取り込むミドルシフトのマーケティング-はきやすい靴で中高年に支持されるアシックスウォーキング(2013年)
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