ファーストリテイリングの2020年8月期連結決算は、売上収益2兆88億円(前期比12.3%減)、営業利益1,493億円(同42.0%減)と減収減益となった。これは主に下期、新型コロナウイルス感染症の影響で各国・各エリアで店舗の臨時休業を行ったことや、外出自粛が広まったことによる。さらにIFRS16号を適用したことに伴い、バランスシートへの使用権資産計上が発生、減損損失が通期で230億円と拡大、大幅な減益となった。ただし、売上規模が大きい日本とグレーターチャイナが計画を上回るペースで業績が回復したことから、連結の売上収益、営業利益ともに直近の業績予想を大きく上回る水準となり、力強い回復を見せている。事業別では、国内ユニクロ事業が売上収益8,068億円(前期比7.6%減)と減収ながら、営業利益は1,046億円(同2.2%増)と増益を達成。特にEコマースについては、デジタル広告の強化など情報発信を積極的に行ったことで下期に大幅増収となり、通期でも29.3%増収と好調だった。海外ユニクロ事業については、グレーターチャイナの急速な回復はあったものの、売上収益は8,439億円(前期比17.7%減)、営業利益は502億円(同63.8%減)と大幅な減収減益。ジーユー事業は増収減益、グローバルブランド事業は大幅減収と、すべての事業で赤字となった。2021年8月期は、売上収益2兆2,000億円(前期比9.5%増)、事業利益2,650億円(同55.9%増)と、過去最高益だった2019年8月期と同水準の業績まで回復することを見込んでいる。
参照コンテンツ
- 戦略ケース SPAモデルへの転換により更なる成長を図る 西松屋チェーン(2015年)
- 戦略ケース 止まらない「激安」ジーンズデフレ-不況と世代交代のインパクト(2009年)
- 戦略ケース 外資の第2世代SPA迎撃に備えるファーストリテイリング「ユニクロ」(2008年)
- 戦略ケース 「ユニクロ」×「ZARA」 先端ファッション、2週で商品化(2007年)
- 戦略ケース カジュアルウェア世界NO.1を目指すユニクロの成長戦略(2000年)
- 研究レポート 拡大するファストファッション -主要7ブランドの実態と攻防-(2010年)
競合他社の業績と比較分析する
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