半歩先を読む日本最大級のマーケティングサイト J-marketing.net

「NEXT VISION 2008」より
顧客づくりのマーケティング
舩木龍三

本コンテンツは、2007年11月22日に行われた当社イベント「NEXT VISION 2008」の講演録と、
同日使用したプレゼンテーションをもとに構成したものです。
構成
 はじめに
 市場のキーワードとマーケティング課題
 顧客心理-どの「潮目」に乗るか
 顧客選択
 顧客品質を上げる
 顧客説得のポイント
 顧客ネットワークを拡大し、ヒットにつなげる
 まとめ
本コンテンツの全文は、メンバーシップサービスでのご提供となっております。
メンバーシップサービス会員の方は、こちらから全文をご利用ください。
メンバーシップサービスについてはこちらをご覧ください。


はじめに
 2008年のマーケティングコンセプトとして、顧客づくりのマーケティングをご提案させていただきます。

 Session 1 の「寡占対決を制する市場パワー戦略」でもご提案していますが、寡占対決市場のなかで高収益をあげるためには、ハードパワーとソフトパワーを使って、如何に顧客づくりをすすめるか、それが2008年のマーケティングコンセプトです。
 我々のご提案する顧客づくりとは、顧客の選択行動を変える、選択行動を起こさせることです。そのための手段がハードパワーとソフトパワーです。そのパワーの源泉として、自社の能力を見極めることが必要です。
 そして、もうひとつ重要なことは市場トレンドを読みきることです。顧客づくりに必要な五つの切り口とそのポイントをご提案させていただきます。

 Session 2 の「2008年の消費をどう読むか」、Session 3 の「消費リーダーと市場の攻め口」でもご案内したように、2008年の市場トレンドは、以下の五つのキーワードで整理することができます。
  • 価値意識の潮目
  • 5人の主役
  • 趣味をベースとした階層的ライフスタイル
  • 高まる品質志向
  • 消費のジレンマ


市場のキーワードとマーケティング課題
図表1.顧客づくりの切り口
 市場のキーワードに対して、どんなマーケティング課題があげられるか、アプローチの切り口は何かを整理したものが図表1です。
 価値意識の潮目、つまり公益志向と上昇志向の潮目を見極め、どちらの流れに乗るか。そのアプローチとして、顧客心理を見極めることが第一の切り口です。
 5人の主役や階層的ライフスタイルを踏まえ、誰に狙いを定めるのか、顧客の選択が第二の切り口となります。
 第三の切り口は、品質志向、ワンランクアップ志向にどう対応するか。価格というハードパワーではなく、ソフトパワーを使って如何に顧客品質を上げるか、です。
 品質志向が高まる背景には、信頼情報の崩壊があります。「赤福」問題をはじめ、企業の信頼というものが問われていますが、信頼を形成し、お客さまの潜在的な衝動消費を刺激して、いかに顧客説得を図るかが第四の切り口です。
 そして最後が、一人ひとりの顧客説得をどのように顧客ネットワークとして拡げ、多くの顧客の選択行動を変えさせるか、です。

 以降では、顧客づくりを成功に導くための五つの切り口のポイントについて、ご提案させていただきます。

顧客心理-どの「潮目」に乗るか
図表2.顧客心理-「潮目」をどう見極めるか
 第一の切り口、「顧客心理」のポイントは、価値意識の「潮目」をどう見極め、どの流れに乗っていくかを決めることです。上手く流れに乗れば大きな成果が得られ、読み間違えればお客さまに見放されることになります(図表2)。

 「2008年の消費をどう読むか」でご案内したように、2008年の価値観はこれまで主流であった「自己実現志向」から「公益志向」が主流になる、とみることができます。しかし、これは短期トレンドなのか、構造的なものなのか見極める必要があります。成熟社会化、高齢化といった要因からみれば構造的なものと捉えることができますが、これまでの自己実現志向が分裂したという見方をすれば、短期トレンドとみることもできます。

 みなさんの事業の場である個別市場ではどうでしょうか。現在は非常に判断が難しい状況といえますが、中途半端が最もダメで、ひとつの意思決定をする必要があります。

(2007.12)

本稿は、当社代表・松田久一による助言・指導をもとに、舩木が代表執筆しております。本稿の内容は、松田からのアイデア・構想に大きく負っております。ここに謝意を表します。あり得べき誤りは筆者の責に帰します。

 本コンテンツの全文は、メンバーシップサービスでのご提供となっております。
 以降の閲覧にはメンバーシップサービス会員(有料)ご登録が必要です。

メンバーシップサービス会員ご登録についてはこちらをご覧ください。
メンバーシップサービス会員の方は、下記をクリックして全文をご利用ください。

お知らせ

2024.03.25

当社合田執筆の「猛スピードのクルマはいらない」 これからの高齢化社会に必要な“まちづくり”とは何か? そのヒントは欧米になかった!」がメルクマールに掲載されました。

新着記事

2024.07.26

消費者調査データ 炭酸飲料(2024年7月版)  首位「コカ・コーラ」、迫る「三ツ矢サイダー」、高い再購入意向の無糖炭酸水

2024.07.25

24年5月の「広告売上高」は、6ヶ月ぶりのプラス

2024.07.24

24年5月の「旅行業者取扱高」は19年比で72%に

2024.07.23

24年5月の「商業動態統計調査」は2ヶ月連続のプラス

2024.07.22

企業活動分析 キユーピー株式会社 23年11月期は海外など好調で増収も原材料高騰で2桁減益に

2024.07.22

企業活動分析 カゴメ株式会社 23年12月期は引き続き海外事業がけん引し増収増益に

2024.07.19

企業活動分析 ライオン株式会社(2023年12月期) 増収も土地譲渡益の反動等で減益に

2024.07.19

企業活動分析 ユニリーバ(Unilever)(2023年12月期) 減収減益、事業部門の業績格差受け、新成長戦略を修正へ

2024.07.19

24年6月の「景気の先行き判断」は3ヶ月連続で50ポイント割れに

2024.07.18

24年6月の「景気の現状判断」は4ヶ月連続で50ポイント割れに

2024.07.17

MNEXT 円安は歓迎すべきかー過熱する円安論争

2024.07.16

企業活動分析 山崎製パン株式会社 23年12月期は大幅な増収増益で過去最高益に

2024.07.12

消費者調査データ スポーツドリンク・熱中症対策飲料(2024年7月版) 首位「ポカリスエット」、追い上げる「アクエリアス」

2024.07.11

24年5月の「消費支出」はふたたびマイナスに

2024.07.10

24年5月の「家計収入」は20ヶ月ぶりのプラス

2024.07.09

24年4月の「現金給与総額」は28ヶ月連続プラス、「所定外労働時間」はマイナス続く

2024.07.08

企業活動分析 大塚HD 23年12月期は売上は過去最高を記録、医療事業の減損損失で減益に

2024.07.08

企業活動分析 小林製薬の23年12月期は、R&Dや宣伝広告への積極投資を行い増収減益に

2024.07.05

成長市場を探せ 初の6,000億円超え、猛暑に伸びるアイスクリーム(2024年)

週間アクセスランキング

1位 2017.09.19

MNEXT 眼のつけどころ なぜ日本の若者はインスタに走り、世界の若者はタトゥーを入れるのか?

2位 2024.07.03

MNEXT コロナ禍の前中後の内食もどりはあったのか? -食欲望の現在-

3位 2024.03.13

戦略ケース なぜマクドナルドは値上げしても過去最高売上を更新できたのか

4位 2019.09.10

戦略ケース プラットフォームビジネスで急拡大するウーバーイーツ

5位 2024.03.08

消費者調査データ カップめん(2024年3月版)独走「カップヌードル」、「どん兵衛」「赤いきつね/緑のたぬき」が2位争い

パブリシティ

2023.10.23

週刊トラベルジャーナル2023年10月23日号に、当社代表取締役社長 松田の執筆記事「ラーケーションへの視点 旅の価値問い直す大事な切り口」が掲載されました。

2023.08.07

日経MJ「CM裏表」に、当社代表取締役社長 松田の執筆記事が掲載されました。サントリー ザ・プレミアム・モルツ「すず登場」篇をとりあげています。

ENGLISH ARTICLES

2023.04.17

More than 40% of convenience store customers purchase desserts. Stores trying to entice shoppers to buy desserts while they're shopping.

2023.02.22

40% of men in their 20s are interested in skincare! Men's beauty expanding with awareness approaching that of women

2022.11.14

Frozen Foods' Benefits Are Expanding, and Child-raising Women Are Driving Demand

2022.09.12

The Penetration of Premium Beer, and a Polarization of the Growing Beer Market

2022.06.20

6.9 Trillion Yen Market Created By Women― Will Afternoon Tea save the luxury hotels in the Tokyo Metropolitan Area