ドナルド・トランプ氏は、メディアやエスタブリッシュメント(権力や支配力を持つ階級)たちからの非難をものともせず、最終的に大統領本選を制した。トランプ氏の勝利には、「アンチ・ヒラリー層」や「隠れトランプ派」の存在の影響が指摘されている。しかし、より注目を集めるのが、「高卒白人男性の工場労働者層」の影響だ。
1970年代後半以降、世界各地へと工場の移転が進み、米国内の産業(特に製造業)は空洞化が進んだ。その過程で、「高卒白人男性の工場労働者層」はそれまで働いてきた工場を追われ、サービス産業の非正規労働や失業へと追いやられた。今や米中西部から北東部ニューイングランドにかけての地域は、別名「ラストベルト」(さびついた工業地帯)と呼ばれるほどだ。
この「ラストベルト」の「高卒白人男性の工場労働者層」と、その家族がトランプ氏支持に回り、民主党の牙城とされていた「ラストベルト」は切り崩された。それが、トランプ氏の大統領本選勝利にも大きく寄与したといわれている。
産業構造の転換が進む中で、負け組の工場労働者層が、勝ち組のエスタブリッシュメントに対し反旗を翻した、ともいえるだろう。ただしトランプ氏が、この工場労働者層の期待通りに、正規雇用の場と中産層としての人並みの暮らしとを取り戻してやれるかどうかは、未知数である。
米Time誌の「今年の人」にも選ばれるなど、トランプ新大統領は、全世界からの注目を集めている。
トランプ新政権が示した、「米国を再び偉大にする有権者との契約」と題する「100日行動計画」は、就任初日に実行する政策18項目、就任100日以内に法制化を目指す措置10項目の、合計28項目で構成される。
参照コンテンツ
おすすめ新着記事
消費者調査データ シャンプー(2024年11月版) 「ラックス」と「パンテーン」、激しい首位争い
調査結果を見ると、「ラックス(ユニリーバ)」と「パンテーン(P&G)」が複数の項目で僅差で首位を競り合う結果となった。コロナ禍以降のセルフケアに対する意識の高まりもあって、シャンプー市場では多様化、高付加価値化が進んでいる。ボタニカルやオーガニック、ハニーやアミノ酸などをキーワードに多様なブランドが競うシャンプー市場の今後が注目される。
消費者調査データ レトルトカレー(2024年11月版) 首位「咖喱屋カレー」、3ヶ月内購入はダブルスコア
調査結果を見ると、「咖喱屋カレー」が、再購入意向を除く5項目で首位を獲得した。店頭接触、購入経験で2位に10ポイント以上の差をつけ、3ヶ月内購入では2位の「ボンカレーゴールド」のほぼ2倍の購入率となった。
「食と生活」のマンスリー・ニュースレター 伸長するパン市場 背景にある簡便化志向や節約志向
どんな人がパンを食べているのか調べてみた。主食として1年内に食べた頻度をみると、食事パンは週5回以上食べた人が2割で、特に女性50・60代は3割前後と高かった。パン類全体でみると、朝食で食事パンを食べた人は女性を中心に高く、特に女性50代は6割以上であった。