ドナルド・トランプ氏は、メディアやエスタブリッシュメント(権力や支配力を持つ階級)たちからの非難をものともせず、最終的に大統領本選を制した。トランプ氏の勝利には、「アンチ・ヒラリー層」や「隠れトランプ派」の存在の影響が指摘されている。しかし、より注目を集めるのが、「高卒白人男性の工場労働者層」の影響だ。
1970年代後半以降、世界各地へと工場の移転が進み、米国内の産業(特に製造業)は空洞化が進んだ。その過程で、「高卒白人男性の工場労働者層」はそれまで働いてきた工場を追われ、サービス産業の非正規労働や失業へと追いやられた。今や米中西部から北東部ニューイングランドにかけての地域は、別名「ラストベルト」(さびついた工業地帯)と呼ばれるほどだ。
この「ラストベルト」の「高卒白人男性の工場労働者層」と、その家族がトランプ氏支持に回り、民主党の牙城とされていた「ラストベルト」は切り崩された。それが、トランプ氏の大統領本選勝利にも大きく寄与したといわれている。
産業構造の転換が進む中で、負け組の工場労働者層が、勝ち組のエスタブリッシュメントに対し反旗を翻した、ともいえるだろう。ただしトランプ氏が、この工場労働者層の期待通りに、正規雇用の場と中産層としての人並みの暮らしとを取り戻してやれるかどうかは、未知数である。
米Time誌の「今年の人」にも選ばれるなど、トランプ新大統領は、全世界からの注目を集めている。
トランプ新政権が示した、「米国を再び偉大にする有権者との契約」と題する「100日行動計画」は、就任初日に実行する政策18項目、就任100日以内に法制化を目指す措置10項目の、合計28項目で構成される。
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