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(2012.06)
経済指標速報
2012年6月12日(火)
主任研究員 菅野 守

【消費支出】

 消費支出は名目・実質ともに改善傾向が続き、分野別でも堅調な推移を見せているものが多数派を占める。個別品目では、自動車関連品目で顕著な伸びを示し、その好調ぶりが際立つ。


1.支出全般の動向:消費支出は名目・実質ともに改善傾向が続く
図表1.消費支出と可処分所得の前年同月比伸び率
図表2.消費支出の名目及び実質伸び率
(前年同月比)の推移
 2012年5月29日に総務省が公表した「家計調査報告」(平成24年4月分速報)によると、二人以上の世帯のうち勤労者世帯における、2012年4月の可処分所得は平均で386,381円、前年同月比伸び率は102.9%と前月より若干低下するも、4ヶ月連続でのプラスとなった。同月の消費支出は平均で339,069円、前年同月比伸び率は104.4%と前月よりも若干の低下も、3ヶ月連続でのプラスとなっている(図表1)。消費支出の伸び率が可処分所得の伸び率を上回ったことで、平均消費性向も2011年4月の86.5%から2012年4月は87.8%へと上昇、3ヶ月連続での改善となっている。
 消費支出の実質伸び率(前年同月比)は、2012年3月の104.3%から2012年4月には103.8%へとわずかに低下するも、3ヶ月連続でのプラスとなった。名目伸び率と実質伸び率との差の大きさは、2012年3月から2012年4月にかけてわずかに小さくなるも、4ヶ月連続でプラスを保っている(図表2)。名目と実質の変化率の差は物価の変化率に対応することを踏まえると、この結果は、デフレが解消しつつあることを示唆するものといえる。

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