半歩先を読む日本最大級のマーケティングサイト J-marketing.net

商圏を超える生活者
重層セグメントによるアクセスマーケティングの展開
流通研究チーム
 ネットマーケティングの爆発的台頭の中で、「ワンtoワン」「CRM」などのダイレクトアプローチの議論が盛んです。しかし、個を個としてのみ捉えていたのでは、効果的かつ効率的アプローチは不可能です。
 ネットマーケティングにおける真の差別化の鍵は「生活者をどうセグメントするか」にあります。
 本論は、弊社にて以前ご提案した「アクセスマーケティング」の考えを一歩突き詰め、生活者アプローチの基点となる「重層セグメント」をご提案します。

1.ネットマーケティングの台頭
インターネットの爆発的な拡大は、マーケティングに大きな影響を与えている。書店には、「インターネットマーケティング」「CRM」「ワンtoワン」を称した出版物が所狭しと並んでいる。
 マーケティングにおけるIT技術の応用とは、突き詰めれば、
  • 「個客対応」
である。
 これまでのマーケティングは、どう商品を認知させ、購買を喚起し(広告)、そして購買につなげるか(チャネル戦略、店頭販促)がその根幹であった。それに向けた組織、体制、仕組みが構築されてきた。
 インターネットマーケティングにおいては、インターネットを介して、ダイレクトな生活者との関係づくりが可能になった。そのなかで、いかにして「個客」を捕まえ、効果的にアプローチするかがその焦点となっている。
 生活者とのダイレクトな関係づくりのために重要視されているのが顧客DB(データベース)である。ダイレクト販売、アンケートなど様々な手段を通じて収集した顧客データをストックし、その特性を踏まえた生活者への最適アプローチが目指されている。その際最も重要となるのが、「顧客のグルーピングやセグメント」であることも指摘されている。
 しかし、これまでの議論では、
  • 生活者をどうセグメントするか
  • セグメントした生活者にどうアプローチするか
についての有益な議論はあまりみられない。現段階では、とにかく顧客データの収集と獲得にやっきになっている段階であり、分析ノウハウや経験的蓄積がなされていないからかもしれない。
 しかし無定見な顧客データの収集は、何の意味ももたない。膨大な顧客データを持つカード会社のこれまでのマーケティングをみれば、顧客セグメントの思想をもたないDBがいかに役に立たないかは明らかである。
 インターネットマーケティングの差別化の鍵は「生活者セグメント」である。それも、これまでのセグメンテーションとは異なり、
  • 生活者への具体的なアプローチ
が盛り込まれたセグメンテーションであることが必要である。これまでのセグメンテーション論は、ここが弱点であった。デモグラフィック、サイコグラフィックな変数を含めて多数のセグメンテーションが研究、呈示されてきた。しかし、これらのセグメントは静態的、一時的なもので、商品開発、流通戦略における、投網的アプローチの「効率を上げる」ものでしかなかった。中間流通を排し、ダイレクトに商品、サービスの販売、配送が可能なインターネットマーケティングにおいては「最終的な生活者にどう届けるか」まで見通したセグメントが必要となる。

 本コンテンツの全文は、メンバーシップサービスでのご提供となっております。
 以降の閲覧にはメンバーシップサービス会員(有料)が必要です。

メンバーシップサービス会員ご登録についてはこちらをご覧ください。
メンバーシップサービス会員の方は、下記をクリックして全文をご利用ください。

新着記事

2025.10.31

成長市場を探せ 猛暑に伸びる、3年連続過去最高更新のミネラルウォーター(2025年)

2025.10.30

25年9月の「ファミリーレストラン売上高」は43ヶ月連続プラス

2025.10.30

25年9月の「ファーストフード売上高」は55ヶ月連続のプラスに

2025.10.29

25年9月の「全国百貨店売上高」は2ヶ月連続のプラス

2025.10.28

MNEXT サナエノミクスと消費の回復ー所信表明に読む自助的自由主義

2025.10.28

25年8月の「広告売上高」は、16ヶ月ぶりのマイナス

2025.10.27

企業活動分析 第一三共の25年3月期は、主力の医療用医薬品好調で増収増益に

2025.10.24

「高市政権」樹立によって経済成長と消費復活へ

2025.10.24

25年9月の「チェーンストア売上高」は既存店で7ヶ月連続のプラス

2025.10.23

25年9月の「コンビニエンスストア売上高」は7ヶ月連続のプラスに

2025.10.22

25年8月の「旅行業者取扱高」は前年比5ヶ月連続プラスに

週間アクセスランキング

1位 2025.11.13

「消費社会白書2026」発表会 ネクスト戦略ワークショップのご案内

2位 2025.10.01

消費社会白書2026 - 欲望の拡張と価値マーケティングの新時代

3位 2024.05.10

消費者調査データ エナジードリンク(2024年5月版)首位は「モンエナ」、2位争いは三つ巴、再購入意向上位にPBがランクイン

4位 2024.10.24

MNEXT 日本を揺るがす「雪崩現象」―「岩盤保守」の正体

5位 2025.10.24

「高市政権」樹立によって経済成長と消費復活へ

ENGLISH ARTICLES

2023.04.17

More than 40% of convenience store customers purchase desserts. Stores trying to entice shoppers to buy desserts while they're shopping.

2023.02.22

40% of men in their 20s are interested in skincare! Men's beauty expanding with awareness approaching that of women

2022.11.14

Frozen Foods' Benefits Are Expanding, and Child-raising Women Are Driving Demand

2022.09.12

The Penetration of Premium Beer, and a Polarization of the Growing Beer Market

2022.06.20

6.9 Trillion Yen Market Created By Women― Will Afternoon Tea save the luxury hotels in the Tokyo Metropolitan Area