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ついに崩れた最後の2強! 
強かったはずのイオン、ヨーカ堂に一体何があったのか?
流通研究チーム

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GMSショック
 不振が続くGMSの中で、勝ち残ったはずの「2強-イオンとイトーヨーカ堂」がとうとう崩れた。2005年2月期の決算で、GMSを展開する単独決算での営業利益は、イオンが173億円で△27.6%の減益、イトーヨーカ堂(以下ヨーカ堂)が88億円で△63.5%の大幅減益となった。営業利益率はイオンが1.0%、ヨーカ堂が0.6%となり、もはや事業としての存在を問われる水準である。この衝撃的な発表に、市場はすぐさま反応し、イオンが1,810円から1,628円(4/22)、ヨーカ堂が4,410円から3,410円(4/21)と、両社の株価は急落した。改革に乗り出したばかりのダイエー、好転の兆しがみえないユニー、西友に、2強の転落が加わり、大手GMS各社の決算は、まさに「総崩れ」となった(図1)。

図1 GMS大手5社の2004年度決算-単独


GMSとは何だったのか
1950年代後半に、ダイエー(1957年)やヨーカ堂(1958年)の登場で産声をあげたGMSは、僅か20年程度で日本の小売業界を席巻した。業態の特徴として、それまで各々の業種小売業が扱っていた飲食料品、日用雑貨、衣料品などを生活必需品という概念で括り、総合的に品揃えをしてワンストップショッピングで提供したこと、大量廉価仕入やチェーンオペレーションによる標準化・効率化を通じ、低価格販売を実現したことがあげられる。成長の背景には、人口増加、都市郊外での核家族の増加、モータリゼーションの進展等があった。
 GMSの成長戦略とは、新規出店による規模の利益を担保し、バイイングパワーを背景にメーカーから有利な取引条件を引き出すとともに、ローコストオペレーションによって低価格販売を実現することで小売間競争に勝ち、その収益を再び、出店原資やより良い人材確保に充てるというメカニズムから成り立っている。つまり、成長には出店数の増加が必要条件になるということだ。しかし、1990年代に入ると、徐々に出店余地は限られ、全国的な店舗過剰状態のなかで、かつての成長メカニズムが機能しなくなった。

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