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(2012.02)
東京都心型ライフスタイルへの適合競争
-買い物満足のマーケティング
大澤 博一


都心部の需要を取り込む主要業態の動き
 現在、東京都心部での小売業の出店が加速している。コンビニエンスストア(以降:CVS)やドラッグストアだけでなく、イオンの「まいばすけっと」やマルエツの「マルエツプチ」、ヨーカ堂の「食品館」などGMSやSMの主要企業が参入、出店を増やしている。
 なぜ都心部なのか。人口減少のなかで、地域移動によって都市部でしか人口が伸びていない。さらに高齢化の進展、都心のライフスタイルの変化によって都心部の食の需要が内食化にシフト、特に生鮮3品のニーズが高まっている。にもかかわらず、都心では商店街や業種店が衰退し、地代などが高いためにスーパーも少なく、都心部の需要を取り込む店がないのが現状である。1都3県の食品売上は約12兆円と言われているが、マルエツは、その10%、1.2兆円を狙う「リージョン10」というビジョンをたてて都市集中戦略を明確にし、2001年にいち早く都心部へと参入した。他にも、12兆円の需要を巡る競争は激化している。
 GMS業態ではイオンが都心のコンパクトSM「まいばすけっと」の出店を強化し、現在は約180店となっている。ヨーカ堂は2010年、上質をコンセプトとした約270坪の食品SM「食品館」を杉並区阿佐ヶ谷に出店、2011年上期に黒字化、2011年12月に杉並区高井戸に約260坪の2店目を出店した。
 食品SMでは、都心に集中するマルエツが店舗を三つのフォーマットに整理した。300坪を基本とする通常タイプの「マルエツ」と、40坪で都心での利便性を提供する「マルエツプチ」、そしてハイクオリティーを志向する「リンコス」である。マルエツプチは出店を加速し、現在50店になっている。成城石井は店舗をコンパクト化し、駅内やマンションなどに出店、5,000アイテムの品揃えの豊富さと独自性とハイクオリティーさで成長を続けている。
 生鮮・惣菜・デザート等の品揃えを強化し、商品構成を変更したCVSは既存店の売り上げを伸ばしている。ローソンは約1万店のうち、半分が生鮮を扱う店舗に変わっている。ファミリーマートも生鮮の取扱店を前年の2倍の約2,000店に拡大、セブンイレブンも約14,000店の半分の店舗で野菜を取り扱っている。生鮮に加え、パスタやパウチ惣菜の大幅な拡充、長鮮度商品の開発など食卓応援商品の強化により、ミニスーパー化を進め、若者男性主体から主婦層、高齢者層を取り込み、客数を拡大させている。
 こうした店販ルート以外に都心部ではネット通販や宅配ビジネスが伸びている。楽天やアマゾンが成長している一方、ネットスーパーも着実に伸びている。2000年に参入した西友は09年12月期に、01年に参入したヨーカ堂は10年2月期に黒字転換している。現在、ヨーカ堂は全店の8割でネットスーパーを展開し、ネットスーパー会員数100万人を突破、売上高は350億円になると言われている。1日あたりの受注件数は1,000件を目標にしており、この数年でネットが主流になるとみる業界関係者も多い。

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