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(2015.06)
第7回 ネクスト戦略ワークショップ 講演録
Session1. 消費格差が生み出す新しいトレンドとチャンス
主任研究員 菅野 守

本コンテンツは、2015年5月19日に行われた当社イベント、第7回ネクスト戦略ワークショップ「格差消費時代のマーケティングの新しい切り口」の講演録と、同日使用したプレゼンテーションをもとに構成したものです。
はじめに

 このSession1のタイトルは、『消費格差が生み出す新しいトレンドとチャンス』です。

  格差を巡る議論では多くの場合、収入格差や資産格差の方に関心が集まりがちです。その結果として見落とされがちな、消費格差の存在に、我々は今回、光を当てていきます。

 これからお話しする内容は、次の通りです。はじめに、消費格差に関する事実を紹介します。次に、消費格差が生まれる背景要因を明らかにした上で、最後に、消費格差をチャンスへと活かすヒントを示します。

1.収入格差よりも消費格差
(1)収入を上回る消費の上位集中度

 まず、消費格差がどれほどのものなのかを、みてみましょう。

 図表1は、下段に挙げた消費にまつわる項目での、支出の上位集中度を示しています。

図表1.収入を上回る消費の上位集中度


 支出の上位集中度とは、各項目へ支出を行った人または各財を購入した人を対象に、彼らの支出の総額のうち、支出金額の多い上位10%の層の人たちによる支出金額の合計が、どのくらいの割合を示しているのか、を示した数値です。以降、この数値を、消費格差の指標として用います。

 図表1の中で最も高い「腕時計」の上位集中度は76%です。上位10%の層の人たちによる支出が、「腕時計」への支出総額の76%を占めていることを意味します。「月あたり個人支出金額」は、調査対象者自身で自由に使える金額(自由裁量金額)のうち、実際に支出した月あたりの金額を表します。「月あたり個人支出金額」の上位集中度は49%ですので、上位10%の層の人たちによる支出で、支出総額のほぼ半分を占めていることになります(図表1)。

 比較のために、収入に関しては、世帯年収金額の上位集中度を示しておりますが、その数値は29%です。世帯年収のある人たちによる収入の総額のうち、世帯年収金額の多い上位10%の層の人たちによる年収金額合計の占める割合は、ほぼ3割です(図表1)。

 今回2015年1月に弊社で行った調査データを基に、消費にまつわる28項目について支出の上位集中度を計算しております。そのうち、世帯年収金額の上位集中度を上回っているものが、28項目中23項目です。世帯年収金額の上位集中度を下回っているのは、居住用一戸建て住宅やクルマなどを含む5項目だけです。消費にまつわる項目の数多くで、上位集中度は収入のそれを上回っております。

 この結果は、消費格差が収入格差を上回っていることを端的に示すものです。

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