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「NEXT VISION 2005」より
見えないニーズを捉える方法
Richard F. May

本コンテンツは、2004年12月7日に行われた当社イベント「NEXT VISION 2005」の講演録と、同日使用したプレゼンテーションをもとに構成したものです。



はじめに
 消費者の目を通じてものを見るためのツールについてご紹介します。それは「アイトラッキング」という新しいマーケティングツールです。消費者の眼球の動きを測定、分析することで、消費者の無意識下にある情報を読み取ります。2005年には、消費者の目から何が見えるでしょうか?
 消費者の関心を集める時間は、0.5~1.5秒といったほんの数秒しかありません。この短い時間に消費者の関心を得て商品を買ってもらうためには、どのような広告やパッケージが効果的でしょうか? 「アイトラッキング」は広告やパッケージやホームページの効果を検証するために大いに役立ちます。
 今回の話のポイントは次の四つです。
  1. 「アイトラッキング」の技術について
  2. 眼球運動と消費者のニーズのマッチング
  3. 「アイトラッキング」で現在どの程度まで分析できるか
  4. 「アイトラッキング」が皆様の仕事にどのように役立つのか

バイオメトリック・マーケティング
図1.消費者の頭の中は?
 
図2.f - MRI :磁気共鳴映像法
 マーケティング・マネージャーは、直接、消費者の頭脳の中を見通すことが出来るようになるでしょうか。図1のようなイメージで見ることができるようになるかもしれません。そのためには、MRIのような巨大な機械が使われるのでしょうか (図2)。MRIは主に病院の研究室で使われるものです。将来のマーケティングには、こういった高価な器具が必要になってくるのでしょうか。

 バイオメトリック・マーケティング調査と呼ばれる分野があります。この分野には既にふたつのツールが存在しています。ひとつは、このファンクショナルMRI機器 (f - MRI) と呼ばれるものです。実際、現在ラボといったような環境下において、頭の中の血流の分布を見ることが出来ます。そして、ライフスタイルを見極めることが出来ます。ですから、セグメンテーションのアンケートなどを行うことによって、頭の中の血流の分布を見ることが出来ます。しかしながら、ラボでしか出来ない極めて高価なもので、マーケティングツールとして使用するには非現実的でもあります。ふたつめのツールとしては、アイトラッキングといったような、眼鏡運動を記録出来るものがあります。低コストで非常に使いやすいものとなっております。そして非常に多くの分析材料を提供いたします。ですから、医療機器のレベルではありませんけれども、お客さんと関わる。そして消費者を考える際に、非常に十分なる情報が得られるものとなっています。

図3.バイオメトリク マーケティング調査
 MRIは非常に高価で、非常に面積を有するという風にお話しておりますけれども、ラボにおきまして、バイオメトリックスの分野で非常に興味深い使い方をしています。大統領選で、このようなことが起きました。大統領選候補者の比較ということで、ふたつの候補者のイメージを出しました。ブッシュ氏とケリー氏です。フランス語を話すケリー氏を出しました。そして頭の中の血流、特定のパターンを示しました (図3)。そして、自分達がどういった政党を支持してるかによって異なる結果が出たのです違ったわけです。
 コカコーラもペプシもラボで、似たような結果を出しております。特定の日本の自動車会社も、ラボにこのようなバイオメトリック・マーケティングを使っています。ライフスタイルをまず確認して、スポーツ好きなのか、シティ派なのか、オペラに行くのか、そういったものをまず確認してから、様々な車の写真を見せます。シビックからミニクーパーまで。様々なものを見せることで、結果を出しています。

 バイオメトリック・マーケティングというのは可能であります。皆様方のビジネスでは、現在ではMRIという方法は使わないかもしれませんが、しかしながら、アイトラッキングという研究が可能であるといえるかと思います。その理由を下にまとめました。

f - MRIアイトラッキング
  • 脳の血流分布を記録できる
  • 極めてコストが高い
  • マーケティングツールとしては非現実的
  • 眼球運動を記録できる
  • 低コスト
  • マーケティングツールとして有用


 アイトラッキング調査の特徴には次のようなことがあります。
  • 今までのマーケティング手法をサポートする
  • 客観的なデータとマーケティングインサイトが得られる
  • フォーカスグループ、インタビュー、インターネット調査を補う
 アイトラッキングはサポートツールです。今あるマーケティングツールにとって代わるものではありません。客観的なデータを提供するものとなります。心理学者と話をしますと、色々な人と話をして質問をしますと、その段階で既に影響を与えてるわけです。例えば、この新しいソフトドリンク見て下さいというだけで、既に何かを依頼しているわけです。その製品を見てもらうわけです。しかしながら、通常それはしません。棚を目で操作します。誰かが、「あ、この製品見て下さい」と言って、目を留めるわけではありません。ですから受容的であります。イメージを提示して、そしてその目の眼球の動きを測定するというものであります。

アイトラッキングの技術について
 どういった会社が既にこのアイトラッキング技術を導入してるのでしょうか。SFっぽいなと思われる方もいるかもしれませんが、既に早期導入した企業があります。ヤフー、イーベイ、オークションサイト、マイクロソフトなどです。それ以外のところでも使われています。

図4.アイトラッキング 2004
 アイトラッキングはどのような機器なのでしょうか。当社で使用している機器は、小さくてシンプルなものです (図4)。普通のLCDのディスプレイのような形状です。赤外線の光源が設置されていて、ライトセンサーがあります。そして、頭と目の動きを追って行きます。高速カメラもついておりまして、写真を撮って、情報を格納しています。この机の下、あるいは隣の部屋でもいいんですが、コンピューター、通常のペンティアムの、通常のコンピューター、ハイエンドで、そして、しかしそれほど高くないものを使えばいいわけです。モデレーターは隣の部屋にいることもできます。同じ部屋にいなくても構わないのです。結果に影響を与えないために重要なことです。あるいは、設定によっては隣に座ってもらうという事でも可能です。ヘッドギアは必要ありません。ですから、珍しいものはありません。消費者に座っていただいて、「見て下さい」と言えばいいわけです。
図5.アイトラッキングの基礎システム
 
図6.アイトラッキングの基礎医療技術
   IR (赤外線) 角膜反射検知の原理
 
図7.アイトラッキングの
   キャリブレーション (補正)
 
図8.テスティングのフロー
 ハードウェアはこの図5のような構成になっています。こんなに簡単な構成です。
 モデレーターが操作するのがモニターです。隣の部屋でモニター出来ます。あるいはモデレーターが隣にいることも出来ます。コンピューター1台で測定可能です。当社では2台使っていて、より多くの情報を収集しています。
 原理は図6に示してる通りです。IR (赤外線) 角膜反射検知の原理が使われています。これは50年来知られているものです。安全な赤外線が、LCパネルから眼球の方に行きます。そして背面で反射されます。その動きが探知されます。LCDでセンサーによって探知されます。正確な測定が出来るようになっており、眼球の動きがキチンと捕獲出来ます。
 当社のアイトラッキングシステムは、30秒で簡単にキャリブレーション (補正) が出来ます。5年前、これは特殊な技術でした。ですから非常に視力のいい、眼鏡をかけない、コンタクトレンズも使っていない人だけというような制限がありました。しかしながら、今では30秒で誰でもキャリブレーションが可能となっています。ですから、クライアント自身にキャリブレーションをしてもらっています。
 図7がキャリブレーション画面です。2つの白丸は、機器が被験者の両目を認識したことを示します。ですから、この白丸は、目の動きにあわせて動きます。システムが両目を捉えますと、スタート出来るわけであります。多くの測定が得られることになります。そしてこの刺激物に対するエクスポージャーが得られるわけであります。アイトラッキングは、本当に、短時間で出来ます。
 そして背景にありますソフトウェアですけれども、テストデザイナーというものがありますので、テストのカスタム化も出来ます (図8)。テスト・モデレーターがあります。フォーカスグループであれば、いわゆるモデレーター役の人がいるわけですが、ソフトウェアがそのような情報提供をしています。データマネージャーがありまして、XYZのデータを収集します。それからプレゼンテーションの部分が、インサイト・レポーターと呼ばれています。そして、マネージメントに対してどこが良かったのか、広告の改善点は何なのかを見ることが出来るようになっています。


眼球運動と消費者のニーズのマッチング
 アイトラッキングは何を測定できるのでしょうか? 目で見れるものは何でも測定出来ます。例えば次のようなものがあります。
  • 印刷記事:雑誌、新聞、ポスター
  • パッケージ:商品パッケージデザイン
  • ブランド:ロゴ、タッグ、総合イメージ
  • ウェブサイト
  • ウェブナビ(例:注文の流れ)
  • CM
 例えば、新しいパッケージデザインがどうして上手く行ってないかを調べるために、アイトラッキングを使います。ウェブページにも使われます。先ほどイーベイの話を少ししましたが、イーベイは非常に複雑なナビゲーションが必要としているオークションページを持っています。そのナビゲーションが上手くいけるかどうかを測定するためにも、アイトラッキングが使われています。また、テレビCMに対する目の動きも測定することも出来ます。

 このような新しいマーケティングツールがあったとしましたら、どのように利用したいかっていうことがあります。もちろん、我々としては、基本的にはその、宣伝の効率化を目指すというわけであります。もちろん、どのぐらいのヒット数があったかなどは、普通のウェブサーバー、ウェブサービスからそういう情報を得られるんですが、アイトラッキングはちょっと違います。その、ビジュアル的にどういうインパクトがあるか、どういう効果があるかということを、キチンと説明してくれるような、測定システムです。つまり、見てる人は、我々の広告を見たのか、どのぐらい長く見たのかっていうような情報を、我々にくれるわけです。つまり、我々が、例えばパッケージの素晴らしいデザインを使ったとしましても、カンヌ広告祭で何か受賞するような素晴らしいデザインかどうかはとても重要なことかもしれませんが、それより、実際に消費者が、我々の素晴らしいデザインを見てくれたかどうかを知りたいのです。どのぐらい見てくれたのか、気がついてくれたのかということを測定してくれるためのツールであります。アイトラッキングはそのようなツールであります。
 我々のアイトラッキング技術を使いまして、既存のデザインを分析して、そしてその結果を持って、クリエーターの方に戻りまして、このデザインは上手く行ってないから、全部破棄するっていうことではなく、こういう所が弱みなので、これを改善しましょうっていうような、非常に効率的な使い方があるかと思います。
図9.ビジュアル・エクィティー要因
 マーケティングには、短期で対応出来ることと、もっと時間がかかるようなものがあると思います。長い時間がかかることは、右側の段にあるように、ブランドの認知度を上げることです。一方、左側の段にある事項は短期間で対応出来ることです。これは、小売でもメーカーでも対応出来るような分野です。アイトラッキングは、その効果を出せるツールです。
 先ほど申しましたように、ある会社のデザインは芸術性が高く評価されたかどうか、というような話をしてるのではないんです。そうではなく、棚に商品が並んだ時に、お客様の注目を得られるかどうかという話をしているのです。ライバル他社のものに比べて、目を引くものなのかどうかっていうことを知りたいのです。

アイトラッキングで現在どの程度まで分析できるか
 では具体的にどのようなデータが収集されるのでしょうか。アイトラッカーは、色々な目の動きを把握、測定出来ます。何が見られたのか。何が見られなかったのか。更に、目の動き、例えば、ある中心点に留まった時には、読んでたのか。あるいは、眼の脇の方からちょっと見てただけなのか。つまり、ひとつのスポットに集中して眼が留まったのか、つまりきっと読んでて理解してたのか、などを測定出来ます。目がどういう所に動いただけではなく、その動いた所で、どういうようなことを消費者は考えていたのかっていうことを、ある程度把握出来るようなデータを出してくれます。
図10.アイトラッキングの基本
 アイトラッキングの基本なんですが、このような画像が出ます時には、人間っていうのは大体5~6点しか、5~6の注視点にしか留まってないっていうことが、分かっています (図10)。丸が大きい所は、人間の目が長く留まったことを示します。丸と丸を結ぶ線は、視線がどういう風に動くかということを、その道筋を表しています。
 医療学者または心理学者は、このような目の動きのデータを見まして、これも色んな記憶に関わることだとも言っています。眼球というのは非常に強い筋肉であります。非常に早い速度で視線を変えられます。その動きをアイトラッカーはキチンと測定出来ます。そして、その動きを細かく分析することが出来ます。心理言語学者によりますと、きっと皆様は、本を読んでる時は、このように目が動いてるだろうという風に思うかもしれません。
 しかし、医学は違う分析をしております。読む時には、一箇所をパッと集中して見て、そしてまた次の所に移って、パッと情報を得るというのが、本当の目の動きだそうです。ですので、例えばヘッドラインとかロゴを見る時には、ホントに一部しかパッとしか見ないのです。大きなページや大きなスクリーンを見る時には、目が留まる場所と、素通りする場所があります。
 人間の読み方とは? 心理言語学調査によると、次のようになっています。
  • 瞬時に言葉を群として捕らえる
  • 眼球の動き:弾丸のような動き⇒一時停止⇒再開
 広告などの見方は? 簡単にまとめると次のようになっています。
  • 言葉、ロゴ、イメージを注視 (時間を測定可能)
  • 新注視点まで高速に移動
  • 注視点と注視点の間の動きはサッケード (saccade) と呼ばれる
 「saccade」という言葉は、100年前から知られてるコンセプトです。非常に早い目の動きのことです。そういう動きを目がしてることは分かっていたのですが、昔はそれ以上の分析方法も、利用方法もありませんでした。その後、コンピューターの性能が上ったことなどによって、サルとか犬とか動物実験などもされてきました。長い間、そういうような研究は、目の動きを測定することだけで、分析という要素は全然入っていませんでした。
 しかし、この数年間で、もっと詳細な分析をするための技術が出てきています。そして、普通のPCでも使える非常に高性能なソフトが出来まして、このような分析が可能になりました。
図11.初期眼球運動研究
 昔、Dodge博士が、煙とホコリなどを使って、紙の上にその、目の動きをトラッキングしたわけでございます (図11)。そしてまた、1968年には、サイエンティフィック・アメリカンという科学誌が、このようなアイトラッキングのような機械をフィーチャーしました (図11)。
 そうであっても、まだこういう機械は、非常に珍しい、まあちょっと面白いものだけど、どういう風にそれを利用出来るのかというのがよく分からなかったわけです。最近デジタル化が進みまして、特にこの過去3年ぐらいから、利用方法がどんどん開発されました。
 眼球運動研究には四つの段階がありました。
  • 初期  :1900~1950、高速の眼球運動の発見
  • 第二段階:~1958、瞬き、新理論無し
  • 第三段階:人間意識の科学とコンピューターの進歩
  • 最新  : 低コストPCと既成ソフト⇒新分野からの市場理解

図12.視点の動きの一般的なパターン
 
図13.代表的な見方の優先ゾーン
 どんな人間であっても、どんな国民であっても、漢字を読む人であっても、ローマ字を読む人であっても、基本的には、ある画面を見ると、大体、図12のような目の動きをするということが分かりました。図12の上の丸が、被験者が最初に見たところです。そして、線の動きに沿って、グルッと視線が動きます。最後には、右上の矢印の位置まで動いて、次の画面にクリックするか、あるいは雑誌を見てるのでしたらページをめくるという動作をします。ポインター・インスティテュートという、スタンフォード大学と共同研究を進めている研究機関から、このような情報が出てきております。
 図12の図面を色別に分けると、図13のようになります。やはり、左上の角、これが1番優先順位が高いです。最も良く人が見る場所です。ウェブページであれば、次はこの辺りが優先順位としてよく見られる所であります。そして、1番右側の方、そして1番下側の方は、優先順位が低い部分でございます。このようなデータが、ホントにこの3年間、色々蓄積されたわけであります。






アイトラッキングが皆様の仕事にどのように役立つのか
図14.ヒートマップ分析
   ウェブサイトの優先ゾーンの例
 図14は当社のウェブサイトのbeforeとafterの画面です。アイトラッキングを使う前には、左側の画面を使っていました。これにアイトラッキングをしまして、この色んな、白い点が見えるんでございますが、これはヒートトラッキングって言ってるんでございますが、その、目が留まった部分を色で表した所でございます。で、右側はその情報を利用しまして、この新しいウェブページを作ったわけなんでございますが、右側の方には、凄く白い部分が沢山出来てるっていうのがお分かりかと思います。沢山みなさん読んでくれてるっていうのが分かるかっていうことになります。そしてウェブログも確認した所、やはり我々はヒット数も増えてることが分かりました。

  赤   :注視頻度が大きい (50%)
  黄   :平均
  緑   :平均以下
  暗い部分:注視されなかった部分
 アイトラッカーを使いますと、ヒートマップ分析というのが、実に使えるわけであります。赤、黄色、緑などがありましたけれど、赤が1番目が留まって、長く留まった所であります。実際に読んでもらってるっていう所であります。このようにヒートマップをページに使えるわけであります。

図15.オスカー賞ウェブサイト
 これは、また別のヒートマップの例です (図15)。これはオスカー賞のウェブサイトです。ここにスパイダーマンがいます。そして左側に、あまり大きな字を使っていないのですが、字が色々書いてあります。そしてちょっとアイコンも付け加えているわけであります。そして右側の方に、これは自動車会社の小さな広告があります。あまり目立っていません。もしかしたら誰も見てないんじゃないかな。見落としてしまうんじゃないかって思うのですが。
 図15の下図がヒートマップです。左上のテキストの部分が凄く注目されています。ここがとても読まれていることが分かります。しかし、アイコンは使わなかったっていうこともいえそうです。アイコンを使わずに、少し軽費を削減出来たのではないかと思います。一生懸命読んでくれたことがよく分かります。赤い部分が沢山あるから、分かると思います。
 そして右側に2人の俳優が見えまして、もちろんそこも注目されています。右下の車の宣伝があるところは、意外と良く見てもらえています。2人の俳優の位置と、上手く関連したからではないかと思います。

図16.エドウィンジーンズ雑誌広告
 これは別な例であります (図16)。ここには非常に高い出演料が必要なハリウッドスターが出ています。もし私がエドウィン社の社員でしたら、皆がこのスターばっかり見るのではなく、ロゴと商品を見てもえるかどうかを気にします。ロゴマークとジーンズを、ホントに見てもらえているかを確認するために、アイトラッキングの分析を行いました。8人の対象者にテストした結果、図16の中図のような目の動きを検出しました。どういう風に目が動いたかが分かります。ブルーの点が大きい所は、目が長く留まってくれたということです。マークは小さいのですが、きちんと見られていることも分かりました。また、「503」という新しいロゴマークも、きちんと気がついてくれたことも分かりました。被験者はエドウィンの商品もきちんと見てくれたので、もしかしたらこのスターを広告に起用することは、いい選択なのかもしれません。投資選択かもしれないという結論が出せるかもしれません。
 会社でありましたら、経費を色々有効活用させられるということがあります。つまり、ヒートマップで同じ広告を分析するわけなのですが、やはりスターの顔だけではなくて、会社のロゴマークまでもちゃんと見てくれるかということを確認出来ます。ですので、このようなホットスポット、ヒートマップは、非常に分かりやすいマーケティングツールだと思います。
 もうひとつはゲイズパス。ゲイズ道。目の動きを分析することもとても重要です。


図17.カルバンクラインの雑誌広告
 これはカルバン・クラインの広告です。アイトラッキングによりますと、彼女は凄く注目されてます。そして、重要なロゴマークは、あまり注目されていません。そして、カルバン・クラインの名前もあまり注目されていません。もしかしたらそれは、カルバン・クラインの意図だったのかもしれませんけれど、少なくても、このような情報を見まして、もしかしたら広告を再検討することが出来るかもしれません。
 これをヒートマップとホットスポットで分析しますと、もしかしたら女の人の方が注目ばかりされてますので、あるいは色んな対処方法を考えられるかもしれません。例えば彼女があんまり注目されてるので、もしかしたら彼女にもうちょっと洋服を着せるとか、あるいはロゴマークの位置をちょっと変えるとかっていうことを考えられるかと思います。

 アイトラッキングによるデータ収集のポイントとして、主に次の4つが挙げられます。
  • イメージを見た時間:
    パッケージ、雑誌広告、ウェブサイト
  • 注視ポイント:
    眼球が停止し、何かを認知した回数
  • 最初に見た所と最後に見た所
  • 目の動きの跡 (ゲイズパス)

 次に、新聞はどういう風にアイトラッキングされてるかという例をお話しします。新聞は、上のヘッドラインの部分が非常に注目されています。そして、見出しの部分読み、またヘッドラインに戻っていく様子が観察されました。この一連の作業は非常に短時間に行われました。注目を惹きつけるために要する時間は、限られてるといえるでしょう。
 アイトラッキングによる面白い発見をまとめると次のようになります。
  • 中小フォント:読まれる可能性が高い
  • 大フォント:スキャンニングのみの眼球運動 (詳細を読んでいない)
  • ビジュアルバリアー (目の壁) 例:記事の段組、ウェブサイトのフレーム
 更に興味深い発見があります。
  • 題名の最初の3分の1しか読まない... 次の題名へ移る
  • 始めの3つの単語が極めて大切
  • 消費者の意識をとらえるには... 1秒以内でないと意味がない

おわりに
図18.アイトラッキング: 全体像の把握
 最後に申し上げたいのは、アイトラッキングは、完璧な、これだけで単独のソリューションではありません。今既になさってることを補助する、補完的なものであります。360度の消費者に対する新しい見方が提供されます。それほどコストがかからないこと、短時間のうちに情報が得られることが利点です。限られた、例えば、8名という被験者を使うことによりまして、統計的に優位なデータ、過去3年間これ使っておりますが、得られるということになります。眼鏡(がんきょう)は眼鏡です。男性だろうが、女性だろうが、目は目です。ですからサンプルサイズが非常に小さくても対応出来ます。当社はこういったアイトラッキング・ソリューションを提供しています。調査プランを設計します。アイトラッキング分析も行っています。フォーカスグループもその直後に行います。完全なレポートも提供いたします。
 このようなアイトラッキング・ソリューションのテクノロジーを日本で導入しているのは当社のみです。

 当社によるアイトラッキング ソリューションは、「ソフトウェア/ ハードウェアシステム+リサーチ設計」です。調査の大まかな流れをまとめます。
  • 調査プラン
  • アイトラッキング分析
  • 客観的な意見
  • レポート:アイトラッキングデータ +インタビューの分析結果

 当社のアイトラッキング・ソリューションの利点は、主に次の5点です。
  • クリエイティブ担当者:クリエイティブ案の裏付けの根拠となる
  • メディアの購入者:ホットスポットデータを使用、掲載場所の値段を交渉
  • メディアの販売者:付加価値が高い特定場所の価格を証明
  • パッケージデザイナー:他の競争者より パッケージデザインが目立つか
  • TV CM:視線のフローを追跡することによって、CMの主旨が伝わるか (開発中)

(2005.1)

お知らせ

2024.03.25

当社合田執筆の「猛スピードのクルマはいらない」 これからの高齢化社会に必要な“まちづくり”とは何か? そのヒントは欧米になかった!」がメルクマールに掲載されました。

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