2001年のヒット商品 - 不況の空気をうち破る4つの潮流 |
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大場美子 | |
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小泉改革は不況の空気を打ち破ることができなかった。消費不況が継続し、さまざまな市場で低価格化が進行する一方で、価格によらない2001年のヒット商品があった。 | ||||
基本食材の新カテゴリーブランド | ||||
米の消費量が年々減少する中で、「ごはん」が、さまざまに形を変えて売れている。 「無洗米」が対前年の生産量で155%増、まだシェア数%とはいえ一定の地位を築きつつある。特に首都圏から浸透していて、生協や大手スーパーを中心に店頭シェアが拡大している。米をとぐ手間が省け、時間短縮できる上に環境によい。「発芽玄米」は、発芽によって栄養価が高まり、美容と健康によいというのが売り物である。どちらも割高であるが、味以外の訴求によって売上を伸ばしている。 冷凍食品では、「そばめし」にはじまり、「ダッカルビライス」、「本格炒め炒飯」、「パラっと海老と焼豚炒飯」など冷凍米飯が売場を賑わした。 これら食のトレンドに乗った単品ヒット商品に対して、多数のアイテムを配置してブランドとしての認知を獲得してヒットしたものがある。 日本ハムのどんぶりの具「アジア食彩館」はチルド食品で14品のシリーズ構成でアジア食材ブランドとしてブームを牽引した。 カゴメの「カゴメデリ」シリーズは、加工米飯のレンジ食品で、まぜごはん、リゾット、スープごはん合わせて12アイテム、いずれも200カロリー前後という低カロリー、野菜たっぷり、化学調味料無添加、レンジで2、3分、食器も調理道具もいらないので洗い物がでない、という手軽さが受けている。 かつての専売公社である塩事業センターの定番「食塩」がトップの地位をゆずった。専売制が廃止された4年前まではほぼ独占状態だったことからすると、様変わりである。シェアを伸ばしたのは、「赤穂の天塩」、「伯方の塩」、「瀬戸のほんじお」など産地名を冠した新しい塩ブランドである。さらに、百貨店や大手スーパーでは世界の産地から調達して、塩専門の売場コーナーができている。食の高関心層から需要層が拡大し、一般家庭でも数種類の塩を使い分けるのが普通になりつつある。 商品選択において自我関与度が低いと思われた「塩」におけるブランド確立は、あらゆる領域にブランド化の可能性があることを示している。標準品が店頭で値引き競争の目玉商品になってしまうのに対して、「こだわり」の対象としてブランドが認知されると、価格が通る。 |
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