ツルハホールディングスの2023年5月期の連結決算は、売上高9,700億円(前期比5.9%増)、営業利益455億円(同12.3%増)の増収増益となった。売上高は新規出店140店が寄与した他、既存店売り上げの前年比が回復傾向となり増収、営業利益は主に医薬品や食品の売上高伸長により2桁の増益となった。ツルハホールディングスでは、2019年に策定した5ヵ年の新中期経営計画を推進していたが、2021年度の急激な市況環境の変化による収益力の低下を受け、2022年に収益力改善を最優先課題とした3ヵ年の新中期経営計画を新たに策定した。この2022~2024年度を「収益改善フェーズ」と位置づけ、足場固めのステージとする。2023年度はインバウンドの戻りによる既存店の回復や全体的な値上げの影響を見込み、売上高1兆330億円、営業利益472億円を計画。店舗数は126店舗出店の閉店64店舗で純増62店舗の2,650店舗を予定している。なお、水面下ではアクティビスト対策として昨秋に経営陣による自社買収(MBO)で非上場化することを検討していたが、イオングループの中核会社となるウエルシアホールディングスとの統合が最善と判断。2024年2月末、ウエルシアと経営統合の協議を開始した。統合すれば、売上高2兆円の巨大ドラッグ連合が誕生となる。
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参照コンテンツ
- 戦略ケース 大衆薬のネット販売本格化で始まるメーカー・小売の業界再編(2013年)
- 戦略ケース 「イオン・ウエルシア」 × 「マツモトキヨシ」 薬を売るには店員の知識か値段か(2007年)
- 戦略ケース 改正薬事法で変わるドラッグストアの競争軸(2008年)
- 戦略ケース どうなるドラッグストア ドラッグストア第2段階へ、規模拡大化と高付加価値化へ分化(2005年)
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