住友不動産の2017年3月期の連結決算は、売上高9,252億円(前年同期比8.2%増)、営業利益1,882億円(同8.0%増)、経常利益1,677億円(同13.0%増)と、5期連続の増収、7期連続の営業・経常増益を達成するとともに、売上高・営業利益・経常利益・親会社株主に帰属する当期純利益のすべてにおいて4期連続で過去最高業績を更新した。セグメント別にみると、不動産賃貸事業部門では、既存ビルの空室率改善と賃料上昇効果に加え、前期に竣工した「東京日本橋タワー」「住友不動産三田ビル」「住友不動産新宿ガーデンタワー」などの通期稼働による業績が寄与したことにより、営業収益・営業利益はともに2期連続で過去最高を更新した。不動産販売事業部門では、前期に竣工した「ドゥ・トゥール キャナル&スパ(晴海)」「シティタワー金町」などの引渡しが順調に進捗したことに加え、「シティテラス平井」などの引渡しが開始され、マンション・戸建・宅地の合計で5,716戸(前期比+720戸)を販売計上した。このような販売戸数の大幅増加により、5期連続で増収増益を達成し、営業収益・営業利益は3期連続で過去最高を更新した。完成工事事業部門では、計上棟数の増加により増収は確保したが、「新築そっくりさん」事業の平均受注額の低下や、マンションリフォーム部門などの事業拡大に伴う費用増を賄えず、営業減益となった。2017年3月期は、第七次中期経営計画(2016~2018年度)の初年度であったが、東京のオフィスビルを中心とした賃貸事業が業績を大きく牽引し、売上・利益ともに3ヵ年累計目標の約3分の1を達成することができた。2年目となる2018年3月期も、不動産賃貸事業を業績の牽引役として、5期連続の最高業績更新に向け邁進していく。
企業活動分析レポートのダウンロードには有料の会員登録が必要です。
レポートでは企業の戦略や活動を当社独自のフレームに沿って時系列で整理しています。競合比較や業界分析などに幅広くご活用いただけます。
分析レポートのダウンロード
- バックナンバー

企業活動分析に関する基調論文
参照コンテンツ
競合他社の業績と比較分析する
おすすめ新着記事

2022年、値上げの春をどう乗り切るか
原材料高、原油価格高騰に端を発する値上げは様々な商品分野に波及し、コロナ禍で持ち直しつつあった消費マインドも再悪化が懸念されている。メーカーにとっても、値上げの巧拙が業績を左右する重要な局面だ。消費者ニーズを捉えて付加価値を高め、値上げ後も選択してもらえるような価格戦略・ブランドづくりが必要になってくるだろう。この値上げラッシュを乗り切り、物価上昇・消費低迷の市場環境下でも成長につなげるためのヒントを、当社が蓄積したケース・理論から紹介する。

強い「ハーゲンダッツ」、ファンつかむPB
家計調査によると、2021年の冷菓の支出金額は2年連続で1万円を超え、食糧費に占める割合も2年連続で過去最高となった。調査結果を見ると、店頭接触や購入経験など複数の項目で「ハーゲンダッツ」が首位に。特に3ヶ月以内購入では2位の「チョコモナカジャンボ」に9.7ポイント、今後の購入意向でも同じく「チョコモナカジャンボ」に9.3ポイントの差をつけた。

人種のるつぼ「川口市」 "本当に住みやすい街"は流通戦略の新たなモデルケース
テレワークの定着で職住分離が進み、生活者のライフスタイルが変化。それに伴い、人気のエリアも変わってきている。なかでも注目の街が、東京都北区に隣接する埼玉県川口市だ。川口市は、2021年度の税収が当初見込みより34億円上回る943億円になることを発表。コロナ禍で税収が落ち込む自治体が多いなか、バブル期以来の増額補正となった。買い物面では、都市型店舗と郊外型店舗が同居する"買住近接"エリアだ。居住者も多様で、ファミリーからシニア、日本人と外国人など、様々なライフスタイルが共存。多様性の街「川口市」には、今後の流通戦略のヒントを見出すことができる。



