コスモス薬品の2018年5月期の連結決算は売上高5,580億円(前年同期比11.0%増)、営業利益227億円(同2.3%増)と増収増益を達成した。売上高の56%を占める一般食品部門が12.1%増と大きく伸長したほか、すべての部門が増収となった。消費者の低価格志向がますます強くなる中、コスモス薬品グループは消費者にとって「安くて、近くて、便利なドラッグストア」を目指した。自動発注システムの導入などローコストオペレーションの仕組みが整ったことから、「毎日安い(エブリデイ・ロー・プライス)」政策の忠実な実行が可能となり、ディスカウント戦略の一層の強化を果たした。新規出店は中部地区11店舗、関西地区23店舗、中国地区19店舗、四国地区9店舗、九州地区33店舗の合計95店舗で、スクラップ&ビルドで10店舗を閉店した。今後も積極的な店舗展開による収益拡大を狙っている。そのためには店舗運営マネジメントのレベル向上が不可欠であるとして、人材教育、マニュアルの整備、コンピュータシステムの充実を対処すべき重要課題と認識し、組織改革に取り組む。
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参照コンテンツ
- 戦略ケース コスモス薬品 ―業態革新の波を起こし、東部戦線を拡大中(2013年)
- 戦略ケース 大衆薬のネット販売本格化で始まるメーカー・小売の業界再編(2013年)
- 戦略ケース 改正薬事法で変わるドラッグストアの競争軸(2008年)
- 戦略ケース どうなるドラッグストア ドラッグストア第2段階へ、規模拡大化と高付加価値化へ分化(2005年)
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