TSMCの2023年12月期連結決算は、売上高は2兆1,617億台湾ドル(約10.1兆円 前年比4.5%減)、営業利益は9,215億台湾ドル(同17.8%減)。2009年以来の売上減、2019年以来の営業利益減となった。ファウンドリ市場の縮小(前年比13%減)や設備稼働率の全体的な落ち込みに加えて、回路線幅3nmプロセスの生産体制の立ち上げ準備もあり、2023年の売上原価率が前年の40.4%から45.6%に高まったことが影響した。プラットフォーム別の売上構成比は、2023年はサーバー向けなどの高性能コンピューティング(HPC)が売上高9,348億NT$(同0.3%増)、スマートフォンが売上高8,149億NT$(同8.3%減)となった。売上構成比は、HPC43%、スマートフォン38%と、両者で全体の8割を超えている。その他分野の売上構成比は、IoTが8%、車載用が6%、家電向けが2%。業績が苦しむなかで、注目すべきなのは、HPC分野のうち、AI(人工知能)半導体の売上が急拡大していることだ。売上高構成比は小さいものの、前年比5割増ペースで伸長。2024年は、AI時代に対応し、2nm、A16(1.6nm)の微細化に加え、先進パッケージング技術を強化する「ファウンドリ2.0戦略」を打ち出した。単なるファウンドリから脱却し、新しい事業構造への転換を進めようとしている。
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