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(2008.08)

値上げの経済分析
松田 久一・菅野 守



 昨年後半以降、原油相場を皮切りに商品市況の高騰が続いたことで、生活に身近な商品が値上がりし始めている。2008年度に入り、食料品を中心に値上がりが相次いだことや、ゴールデンウィーク入り直後にガソリン価格が大幅な値上げに至ったことは、記憶に新しい。9月以降も幅広い商品・サービスで値上げが予定されており、家計の支出に及ぼすマイナスの影響も懸念されている(図表1)。
 こうした値上げの動きが企業収益に及ぼす影響について、以下では経済分析による検証を試みた。
 本稿の結論を先取りすると、コスト増加への対処法としてメーカーがとりうる方策は値上げだけとは限らず、消費者のメリット・デメリットと、メーカーのコスト・パフォーマンスとの兼ね合いから、価格、品質、数量などのコントロール可能な変数を適切に調整することで、よりよい解決策を見出すことができる。

図表1.相次ぐ値上げの動き


1.モデルの基本設定
 本稿の分析で援用するモデルは、製品差別化を伴うベルトラン複占競争のモデルである。
 企業1はプレミアム商品メーカー、企業2は一般標準品メーカーと仮定する。企業1と企業2はともに同じ容量の商品を作っており、単位当り変動費用は両企業で等しいとする。固定費用は、企業1の方が企業2よりも常に大きいとする。潜在的な需要規模は、企業1よりも企業2の方が常に大きいとする(モデルの詳細な設定の解説は、後述【補遺】本稿のモデル分析結果の「A1.モデルの基本設定」に譲る)。

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