
2020年、コロナ禍で「東京ディズニーリゾート(TDR)」や「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)」などは約4ヶ月もの休業、その後も入場制限を行ったことなどから、テーマパークの同年の売上は前年の約三分の一にまで落ち込み、翌21年も苦しい状況が続いた。しかし、コロナが5類移行となった2023年には、売上高は8,000億円の大台を突破、過去最高を記録した(経済産業省「特定サービス産業動態統計調査」)。

過去最高の売上をもたらしたのは、客単価の上昇だ。20年前の2004年と比較して、2023年は入場者数はほぼ横ばいにも関わらず、入場料や施設利用料などは2倍となった。テーマパーク各社も、入場者数の拡大よりも来園者の体験価値の向上に注力、並ばずにアトラクションに入場できるパスなど、新たなサービスの導入に力を入れている。インバウンドの回復もあいまって、外国人入場者数も増加し、客単価も増加した。2021年には「西武園ゆうえんち」が全面リニューアル、2023年6月には、「ワーナー ブラザース スタジオツアー東京」がオープンするなど、個性豊かなテーマパークが出そろった。良質な体験を提供し、高い客単価を実現してきたテーマパーク。体験型消費ひとつの代表として、今後も成長が期待される市場のひとつだ。
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