積水化学工業の2017年3月期連結決算は、売上高1兆658億円(前期比2.8%減)、営業利益は965億円(同7.4%増)で減収増益となった。為替や事業構造改革の影響により減収となったが、高機能プラスチックカンパニーにおける販売拡大や新築住宅事業の売上の堅調な推移、収益性改善施策の効果発現により、営業利益は3カンパニーとも増益となった。セグメント別にみると、住宅事業では昨年発売の「Gシリーズ」の好調などにより新築住宅事業の受注が堅調に推移し、売上高4,850億円(同2.4%増)、営業利益375億円(同3.2%増)の増収増益となった。環境・ライフライン事業は、売上高は2,403億円(同8.0%減)と減収となったが、営業利益は収益性改善施策や事業構造改革により増益となり、128億円(同115.3%増)と過去最高益を更新した。また、高機能プラスチックス事業では、為替の影響やエレクトロニクス分野の苦戦により売上高は3,575億円(同5.6%減)の減収となったものの、営業利益は他の戦略事業分野の販売伸長により5期連続増益となり、545億円と最高益を更新した。2016年度は中期経営計画「SHINKA!-Advance 2016」の最終年度であり、売上高や営業利益といった数値目標は未達となったが、収益性は高まりつつある。2017年度は、新しい中期経営計画「SHIFT 2019 - Fusion-」の初年度として、売上数量の増加と構成の改善に注力し、「新次元の成長への第一歩」を目指す。
参照コンテンツ
- 戦略ケース 積水化学工業株式会社 -時間・社会・環境の中での住宅の価値(1992年)
- 戦略ケース 積水化学工業 ハイムグロワールの市場導入戦略(1984年)
- 積水化学工業 新製品開発による既存事業の活性化(1982年)
競合他社の業績と比較分析する
おすすめ新着記事
成長市場を探せ コロナ特需の反動乗り越え成長するパスタソース(2024年)
コロナ特需から3年連続で縮小するレトルト市場にあって、パスタソースは2年連続の成長となった。「あえる・かける」だけで一品となるレトルトパスタソースの簡便性は、時短ニーズにマッチするものとして成長が期待されている。
消費者調査データ 紅茶飲料(2024年10月版) 首位「午後の紅茶」、「紅茶花伝」に水をあける
2023年、数量金額ともにプラスとなった紅茶飲料。調査結果を見ると、キリンの「午後の紅茶」が再購入意向以外の5項目で首位を獲得した。認知率は9割、購入経験も5割を超え、再購入意向では2位以下に10ポイント余の差をつけ、リーディングブランドらしい強さをみせた。
消費者調査データ ミネラルウォーター(2024年9月版) 全項目首位「サントリー 天然水」、リピート意向の高いPB
2023年、2年連続で2桁増を達成したミネラルウォーターについての調査結果をみると、全項目で5ポイント以上の差をつけて「サントリー天然水」が首位に。2位は「い・ろ・は・す天然水」。再購入意向ではベスト10内に5ブランドのPBという結果となった。