オリエンタルランドの2018年3月期連結決算は、売上高4,793億円(前年同期比 0.3%増)、営業利益1,103億円(同2.5%減)、経常利益1,117億円(同2.6%減)となった。テーマパーク入園者数が増加したことに加えて、ゲスト1人当たりの売上高が増加したことで増収となったが、テーマパークセグメントの人件費が増加したことなどにより減益となった。近年の日本における若年層人口の減少、労働人口減少が懸念される中、東京ディズニーランド、東京ディズニーシーの入園者数は2013年度から5年連続で3,000万人を上回り、当初掲げた「高い満足度を伴った入園者数を恒常的に3,000万人レベルとする」という目標を前倒しで実現した。テーマパーク事業では、新鮮さを提供するハードの強化として、新規アトラクション「ニモ&フレンズ・シーライダー」並びに「ディズニー・パイレーツ・サマー」等の新規スペシャルイベントを実施したことで、パーク体験価値が向上した。また、ソフトの強化として、新スケジュール管理システムによる勤務体系の整備といった「働きやすい」環境づくりにも積極的に取り組んだ。2018年度は東京ディズニーリゾート35周年イベントが行われ、更なる利益が期待される。また、2020年度には東京オリンピックが開催され、訪日外国人旅行客の増加が見込まれる中、過去最高の入園者数及びキャッシュフローを目指す。
企業活動分析レポートのダウンロードには有料の会員登録が必要です。
レポートでは企業の戦略や活動を当社独自のフレームに沿って時系列で整理しています。競合比較や業界分析などに幅広くご活用いただけます。
分析レポートのダウンロード
- バックナンバー

企業活動分析に関する基調論文
競合他社の業績と比較分析する
おすすめ新着記事

2022年、値上げの春をどう乗り切るか
原材料高、原油価格高騰に端を発する値上げは様々な商品分野に波及し、コロナ禍で持ち直しつつあった消費マインドも再悪化が懸念されている。メーカーにとっても、値上げの巧拙が業績を左右する重要な局面だ。消費者ニーズを捉えて付加価値を高め、値上げ後も選択してもらえるような価格戦略・ブランドづくりが必要になってくるだろう。この値上げラッシュを乗り切り、物価上昇・消費低迷の市場環境下でも成長につなげるためのヒントを、当社が蓄積したケース・理論から紹介する。

強い「ハーゲンダッツ」、ファンつかむPB
家計調査によると、2021年の冷菓の支出金額は2年連続で1万円を超え、食糧費に占める割合も2年連続で過去最高となった。調査結果を見ると、店頭接触や購入経験など複数の項目で「ハーゲンダッツ」が首位に。特に3ヶ月以内購入では2位の「チョコモナカジャンボ」に9.7ポイント、今後の購入意向でも同じく「チョコモナカジャンボ」に9.3ポイントの差をつけた。

人種のるつぼ「川口市」 "本当に住みやすい街"は流通戦略の新たなモデルケース
テレワークの定着で職住分離が進み、生活者のライフスタイルが変化。それに伴い、人気のエリアも変わってきている。なかでも注目の街が、東京都北区に隣接する埼玉県川口市だ。川口市は、2021年度の税収が当初見込みより34億円上回る943億円になることを発表。コロナ禍で税収が落ち込む自治体が多いなか、バブル期以来の増額補正となった。買い物面では、都市型店舗と郊外型店舗が同居する"買住近接"エリアだ。居住者も多様で、ファミリーからシニア、日本人と外国人など、様々なライフスタイルが共存。多様性の街「川口市」には、今後の流通戦略のヒントを見出すことができる。



