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(2014.08)
月例消費レポート 2014年7月号
消費は一時的スランプを脱し回復への気配
-消費への追い風も更に強まりつつある
主任研究員 菅野 守



1.はじめに

 梅雨明け後、当初云われていた冷夏の予想に反し、各地では厳しい暑さが続いている。一部報道によると、流通各社は今夏の商戦に手ごたえを感じている様子であり、夏場の旅行・レジャーの出足も好調のようだ。

 政府と日銀はともに、消費税増税後の需要反動減の影響を「想定の範囲内」とする見方を引き続き堅持しており、景気が緩やかな回復基調にある点も認識を共有している。日銀の金融政策決定会合後に公表される「当面の金融政策運営について」によると、直近の7月公表分では新たに、企業マインドの良好ぶりが言及されるとともに、経済の先行きとして増税後の反動減の影響の緩和・終息への期待感が表明されている。2014年7月の月例経済報告では、景気の基調判断は6ヶ月ぶりに上方修正され、「消費税率引上げに伴う駆け込み需要の反動も和らぎつつある」へと文言が変更されるなど、増税後の反動減に関し、前月よりも踏み込んだ判断が示されている。政府と日銀の双方とも、反動減の影響が早晩終息することを見越したうえで、景気の先行きに対する関心の焦点は既に、反動減からの回復シナリオの方に移りつつあるようだ。

 2014年7月や8月の経済指標が明らかになるのはまだ先の話ではあるが、この夏場の消費の盛り上がりが反動減からの回復の端緒となり、秋以降、消費の本格回復への展望もより見えやすくなっていることが期待される。今後の消費の回復の足取り如何で、2015年10月に控える第2段階目の消費増税の受け入れ余地も、大きく変わってくるであろう。


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