半歩先を読む日本最大級のマーケティングサイト J-marketing.net

世界の消費リーダー
-グローバル調査10ヶ国比較より
大場美子
 本論文では10ヶ国グローバルネット調査の分析結果から、世界の消費を捉えます。
 21世紀は消費爆発の世紀です。その中で日本の消費だけが低迷しています。こういったなかで現在、世界市場はひとつの階層型市場に転換しつつあります。
 この階層型社会をリードしていくのは購買力の高い「アップビルダー」と「ダウンシフター」です。このふたつの層をどう攻略していくのかが、グローバル市場を攻略する鍵となります。

 日本の不況は、日本の個人消費の低迷による。最近の家計調査から消費の動向をみると、1世帯当たりの消費支出の対前年同月比は昨年4月から6ヶ月連続の実質減少の後10月、11月は2ヶ月連続の実質増加となったが、12月は▲4.4%と減少している。消費低迷がなぜ起こっているのかについては、様々な議論があるが、日本の平均消費性向は平成13年第4四半期季節調整値で72%と相変わらず低い水準を保っており、「節約」の空気に支配された消費意欲の低さという心理的な側面が大きいことがうかがえる。一方、「IT不況による景気低迷の長期化」が懸念されているアメリカは、1月30日発表の2001年10-12月GDP速報値によれば実質成長率前期比0.2%のプラス成長、個人消費が5.4%増と貢献しており、不透明感はあるものの景気回復への見通しが一段と明るくなっている。消費性向は依然として100%前後という過剰消費が継続している。アメリカ経済が景気後退局面に入り、テロという衝撃的な事件を経ての、日米のこの違いはどこからくるのだろうか。
 我々は、各国の消費はどうなっていくのか。なぜ日本の消費は低迷しているのか。今後消費を牽引していく消費リーダーは誰か。これらを明らかにするために2001年9月、世界10ヶ国約2万人を対象に、消費に焦点を当てたインターネット調査を行った。特にアメリカにおける調査は、たまたま9.11の1週間後に開始されており、その意味においても貴重な資料といえる。
 また、ここで紹介する集計結果は、各国におけるインターネット普及率の性別年代別構成に合わせてサンプル数を修正し、さらに、インターネット人口に合わせて各国のベースを調整したものであり、ほぼ現在の10ヶ国のインターネットユーザー構成比に沿ったサンプル構成になっている。


本稿には当社代表・松田久一、並びに消費研究チームのメンバーによる議論・検討の成果が活かされております。あり得べき誤りは筆者の責に帰します。

 本コンテンツの全文は、メンバーシップサービスでのご提供となっております。
 以降の閲覧にはメンバーシップサービス会員(有料)ご登録が必要です。

メンバーシップサービス会員ご登録についてはこちらをご覧ください。
メンバーシップサービス会員の方は、下記をクリックして全文をご利用ください。

新着記事

2025.01.17

消費者調査データ No.419 キャッシュレス決済(2025年1月版) 利用経験ついに5割超え 「PayPay」独走態勢なるか

2025.01.16

24年11月の「現金給与総額」は35ヶ月連続プラス、「所定外労働時間」はマイナス続く

2025.01.16

24年11月は「有効求人倍率」、「完全失業率」とも横ばい

2025.01.15

月例消費レポート 2024年12月号 消費は足踏み状態が続いている-国内外からの物価上昇圧力は消費にマイナスの恐れ

2025.01.14

企業活動分析 マンダムの24年3月期は2期連続の増収増益、女性事業が好調

2025.01.10

24年11月の「新設住宅着工戸数」は7ヶ月連続のマイナス

2025.01.09

24年12月の「乗用車販売台数」は2ヶ月連続のマイナス

2025.01.08

企業活動分析 富士フイルムHDの24年3月期は増収増益、過去最高を更新

2024.12.27

24年11月の「ファーストフード売上高」は45ヶ月連続のプラスに

2024.12.27

24年11月の「ファミリーレストラン売上高」は33ヶ月連続プラス

2024.12.27

消費からみた景気指標 24年10月は4項目が改善

2024.12.26

提言論文 消費者が示すサービスブランドの価値実現率-価値伝達なしの生存はない

2024.12.25

24年11月の「全国百貨店売上高」はふたたびプラスに インバウンドや冬物衣料が好調

2024.12.25

24年11月の「チェーンストア売上高」は既存店で2ヶ月ぶりのプラスに

2024.12.24

24年11月の「コンビニエンスストア売上高」は12ヶ月連続のプラスに

2024.12.23

MNEXT 価値と欲望の充当関係とは何か-市民社会の基本原理

2024.12.23

企業活動分析 BYDの23年12月期はEV・PHV好調で大幅な増収増益を達成

2024.12.20

消費者調査データ No.418 サブスクリプションサービス 広く利用される「プライムビデオ」、音楽サブスクには固定ファンも

2024.12.19

24年10月の「商業動態統計調査」は7ヶ月連続のプラス

週間アクセスランキング

1位 2024.03.08

消費者調査データ カップめん(2024年3月版)独走「カップヌードル」、「どん兵衛」「赤いきつね/緑のたぬき」が2位争い

2位 2024.05.10

消費者調査データ エナジードリンク(2024年5月版)首位は「モンエナ」、2位争いは三つ巴、再購入意向上位にPBがランクイン

3位 2024.06.21

消費者調査データ ビール系飲料(2024年6月版) 首位「スーパードライ」、キリンの新ビール「晴れ風」にも注目

4位 2023.07.03

「食と生活」のマンスリー・ニュースレター 約3割が利用する「免疫力」商品 20~30代に広がる美容・健康飲料の可能性

5位 2024.02.02

成長市場を探せ コロナ禍乗り越え再び拡大するチョコレート市場(2024年)

パブリシティ

2023.10.23

週刊トラベルジャーナル2023年10月23日号に、当社代表取締役社長 松田の執筆記事「ラーケーションへの視点 旅の価値問い直す大事な切り口」が掲載されました。

2023.08.07

日経MJ「CM裏表」に、当社代表取締役社長 松田の執筆記事が掲載されました。サントリー ザ・プレミアム・モルツ「すず登場」篇をとりあげています。

ENGLISH ARTICLES

2023.04.17

More than 40% of convenience store customers purchase desserts. Stores trying to entice shoppers to buy desserts while they're shopping.

2023.02.22

40% of men in their 20s are interested in skincare! Men's beauty expanding with awareness approaching that of women

2022.11.14

Frozen Foods' Benefits Are Expanding, and Child-raising Women Are Driving Demand

2022.09.12

The Penetration of Premium Beer, and a Polarization of the Growing Beer Market

2022.06.20

6.9 Trillion Yen Market Created By Women― Will Afternoon Tea save the luxury hotels in the Tokyo Metropolitan Area