LIXILの2024年3月期の連結決算は、売上収益1兆4,832億円(前年同期比0.9%減)、事業利益232億円(同10.0%減)、営業利益164億円(同34.3%減)と減収減益であった。売上収益は、国内において断熱窓を中心とするリフォーム製品の売上伸長があったものの、欧州及び米国において金利高止まりやインフレ長期化に起因する大幅な需要減退の影響などもあり微減収となった。一方で利益面は、資材・エネルギー及び部品価格の高止まりによるコスト増に加え、特に海外事業における需要停滞や市況低迷などによる減収の影響をカバーしきれず、加えて構造改革の実施に伴う費用の増加などから大幅な減益となった。ウォーターテクノロジー事業(LWT)について、国内は新築需要減退が続いているものの、価格改定とリフォーム売上伸長で僅かに増収。一方で、海外事業の減収は大きく、国内・海外とも価格改定効果や販管費削減をしたものの、売上減少、固定費負担をカバーしきれず、前年同期比48.1%減と大幅な減益。ハウジングテクノロジー事業(LHT)は、LWTと同様に新築需要減退による影響を大きく受けたことなどにより、売上収益は前年同期比0.3%減と僅かながら減収。 事業利益は、資材・エネルギー価格の高止まりによるコスト増加の影響はあるものの、リフォーム関連製品の売上伸長や価格改定効果による粗利確保、生産現場のアセットライト化などの生産性向上施策に伴う収益性の改善が着実に進み、前年同期比85.4%増と大幅な増益となった。2025年3月期については、厳しい事業環境のもと、経営の基本的方向性を示した「LIXIL Playbook」の優先課題に基づき、喫緊の課題である海外事業の収益性の回復に向けて継続して構造改革に取り組むとともに、欧州・米国地域を中心とした人員配置の最適化、不採算事業の整理などの事業ポートフォリオのさらなる見直し、サプライチェーンの再構築などを推進、売上収益1兆5,700億円、事業利益350億円、営業利益250億円を見込む。
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企業活動分析に関する基調論文
参照コンテンツ
- 戦略ケース 大幅減収続く家電量販店は「住宅事業」に活路を求める ~LIXILがエディオンの筆頭株主に~(2013年)
- 戦略ケース 新日軽株式会社 -BESTシステムによる経営合理化と販売店強化(1991年)
- 戦略ケース 株式会社INAX -INAXのショールーム戦略(1990年)
- 戦略ケース ショールーム戦略「XSITE」 -第3の空間創造~スーパー・イズ・ワンダフル~(1987年)
- 戦略ケース 株式会社INAX -INAX「X」への挑戦(1985年)
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