ハイアール集団の2016年度の全世界総売上高は推計2,016億元/約3兆4,000億円(前年同期比6.8%増)、利益203億元/約3,500億円(同12.8%増)、過去10年の収入の年平均成長率は6.1%増、利益は同30.6%増となった。世界最大13.8億人の消費人口がいる中国をホームマーケットとして、川下(系列店、最大のEC、物流網、顧客)を徹底的に支配し、相対的に安い人件費を活かして、量産コスト優位を実現し、白物家電市場で頭角を現し、日本企業の業績が悪化する中、2009年に白物家電で世界シェアトップになり、2011年に三洋電機を買収、近年では、中国の景気減速や競争激化で国内の成長が難しくなると予想されるため、各国の特徴に応じた製品の開発を推進し、グローバル展開を積極的に進めてきた。特に、2016年には米国のゼネラル・エレクトリックの家電事業を買収し、北米を中心とする先進国市場開拓の足掛かりを作った。また、ビッグデータやIoTを活用した高機能・高付加価値商品も多数展開しており、新しいビジネスモデルの推進にも力を入れている。このように高級路線に移行しつつあるハイアールだが、これによって従来の顧客が離れないか、いかにターゲットに合わせた商品展開ができるかが今後の課題となる。
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