日本のメーカーは、いま棚前で静かに付加価値を奪われ続けている。「3尺6段」と呼ばれる標準的な棚のなかで、ナショナルブランドはプライベートブランド(以下、PB)に、面積・配置・訴求のすべてで押されつつある。トップバリュ(イオン)、セブンプレミアム(セブン&アイ)といった大手小売のPBはいずれも年間売上1兆円を超え、PB比率は過去最高を更新し続けている。
かつてメーカーは、テレビをはじめとするマスメディアを通じて価値を伝え、ブランドを築いてきた。だが、その前提は崩れた。利用の中心はネットへ移り、購入の最終判断に最も影響する情報源は、いまや「棚前」である。価値伝達の主戦場は、メーカーが十分に掌握できていない売り場へと移っている。
PB台頭の本質は何か。棚前で消費者の心はどう動くのか。そして、メーカーはどうすればこの顧客接点を取り戻せるのか。本稿は、四つの一次調査をもとに、これまで経験と勘に頼って語られてきた棚前の購買行動を可視化し、立ち寄り・視認・比較・選択といった各段階で打つべき施策を整理する。経験に頼ってきた売り場づくりを、データに基づく設計へ。メーカーが付加価値を取り戻すための実践戦略を提示する。
参考調査
【調査①】減税効果と消費者行動調査(全国20~60代、n=2,035、2026年2月)
【調査②】メディア利用・信頼に関する生活者調査(全国20~69歳男女、n=1,436、2026年3月)
【調査③】店頭購買行動分析調査(冷凍唐揚げ/カップ麺カテゴリ、n=192、2026年3月)
【調査④】ブランドフェア店舗出口調査(食品スーパー10店舗来店者、n=590、2026年1~2月)








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