半歩先を読む日本最大級のマーケティングサイト J-marketing.net

(2012.07)
経済指標速報
2012年7月13日(金)
主任研究員 菅野 守

【収入状況】
 収入の主たる部分は改善の動きが持続、製造業と商業・サービス関連産業の双方で特に超過給与の伸びが目立つ。

1.概況:収入の主たる部分は改善の動きが持続、特に超過給与は伸び率の上昇が続く
図表1.就業形態別 現金給与総額の
前年同月比伸び率の推移

図表2.現金給与額 各内訳の
前年同月比伸び率の推移
 2012年7月3日に厚生労働省が公表した「毎月勤労統計調査」(平成24年5月分結果速報)をもとに、月間現金給与額をみると、常用労働者5人以上の事業所における、2012年5月の現金給与総額は常用労働者一人当たり平均で268,301円、2011年5月の確報値に対する前年同月比伸び率は98.9%へと低下し、3ヶ月ぶりのマイナスとなったが、落ち込みは軽微なものに止まっている。
 就業形態別に、現金給与総額の前年同月比伸び率の推移をみると、全体にあたる「調査産業計・5人以上一般・パート」の折れ線と「調査産業計・5人以上一般労働者」の折れ線はほぼ同じような動きを示しており、直近の2012年5月の前年同月比伸び率は、「調査産業計・5人以上一般・パート」で98.9%、「調査産業計・5人以上一般労働者」で98.8%とほぼ等しい。他方、「調査産業計・5人以上パートタイム労働者」の前年同月比伸び率は、2011年12月以降、6ヶ月連続でプラスとなっており、収入環境の良好さが持続している。
 現金給与総額の内訳として、所定内給与額と超過給与それぞれの動きに着目すると、2012年5月の所定内給与額は一人当たり平均243,290円、2011年5月の確報値に対する前年同月比伸び率は100.2%へと上昇し、再びプラスに戻した。2012年5月の超過給与(または所定外給与)は平均18,405円、前年同月比伸び率は106.2%へと5ヶ月連続で上昇し、7ヶ月連続のプラスとなっている(図表2)。現金給与総額の伸び率はマイナスである一方、「きまって支給する給与」に分類される2項目の、所定内給与額並びに超過給与の伸び率はプラスとなっている。現金給与総額の伸び率がマイナスのなった主たる原因は、特別給与の伸びの大幅な落ち込みにある。ちなみに、2012年5月の特別給与は平均6,606円、前年同月比伸び率は60.1%と、ほぼ4割減である。特別給与には確かに、夏冬の賞与や期末手当等の一時金なども含まれるが、5月という時期を考慮すると、直近での伸びの大幅減は「一時的又は突発的事由」に基づくものとみた方がよいであろう。
 「きまって支給する給与」にあたる所定内給与額と超過給与とが堅調さを保ち、中でも超過給与の伸びが顕著であることに加え、現金給与総額の落ち込みが「一時的又は突発的事由」に因るものとみなせそうなことから、収入は改善の動きが続いているといえよう。

 本コンテンツの全文は、メンバーシップサービスでのご提供となっております。
 以降の閲覧にはメンバーシップサービス会員(有料)ご登録が必要です。

メンバーシップサービス会員のご案内についてはこちらをご覧ください。
メンバーシップサービス会員の方は、下記をクリックして全文をご利用ください。

新着記事

2023.12.08

価値社会をリードする6つの価値ライフスタイル

2023.12.08

消費者調査データ 2023年印象に残ったもの コロナは去り、阪神は「アレ」を果たし、大谷選手の活躍は続く

2023.12.07

23年10月の「新設住宅着工戸数」は5ヶ月連続マイナスに

2023.12.06

企業活動分析 本田技研工業 23年3月期は二輪過去最高も諸経費増加で増収減益に

2023.12.05

「食と生活」のマンスリー・ニュースレター 成長するコーヒー市場 6つの形態が店頭に共存するワケとは?

2023.12.04

23年11月の「乗用車販売台数」は15ヶ月連続のプラス

2023.12.01

消費者調査データ No.397 シャンプー(2023年12月版) 「パンテーン」と「ラックス」、僅差の競り合い

2023.12.01

MNEXT 大転換期の価値マーケティング(2023年)

週間アクセスランキング

1位 2023.11.17

消費者調査データ No.396 レトルトカレー(2023年11月版) 首位はカリー屋カレー、リピートされる調理対応カレー

2位 2022.03.11

女性が生み出す6.9兆円の市場―アフタヌーンティーは都心高級ホテルを救えるのか 第1回

3位 2021.10.14

都心主要ラグジュアリーホテルのリバイバル戦略と行動直結プロモーション―産業衰退死段階の生き残り戦略【1】

4位 2019.09.10

戦略ケース プラットフォームビジネスで急拡大するウーバーイーツ

5位 2016.03.16

【マーケティングFAQ】どうすればブランド力を強化できるか

パブリシティ

2023.10.23

週刊トラベルジャーナル2023年10月23日号に、当社代表取締役社長 松田の執筆記事「ラーケーションへの視点 旅の価値問い直す大事な切り口」が掲載されました。

2023.08.07

日経MJ「CM裏表」に、当社代表取締役社長 松田の執筆記事が掲載されました。サントリー ザ・プレミアム・モルツ「すず登場」篇をとりあげています。

ENGLISH ARTICLES

2023.04.17

More than 40% of convenience store customers purchase desserts. Stores trying to entice shoppers to buy desserts while they're shopping.

2023.02.22

40% of men in their 20s are interested in skincare! Men's beauty expanding with awareness approaching that of women

2022.11.14

Frozen Foods' Benefits Are Expanding, and Child-raising Women Are Driving Demand

2022.09.12

The Penetration of Premium Beer, and a Polarization of the Growing Beer Market

2022.06.20

6.9 Trillion Yen Market Created By Women― Will Afternoon Tea save the luxury hotels in the Tokyo Metropolitan Area