半歩先を読む日本最大級のマーケティングサイト J-marketing.net

消費を変えるオンリーワン世代
大場美子
本稿は、当社松田のコメントが掲載されたAERA 08年7月14日号「のんびり楽しむ「まったり消費」の関連コンテンツです。
プリント用画面(PDF)/会員専用
「オンリーワン世代」の「消費離れ」
 「オンリーワン」世代が消費を変えつつある。「オンリーワン」世代とは、1970年代後半から1980年代前半に生まれ、バブル崩壊後の「失われた十年」に10代を経験した現在22才から31才にあたる層であり、当社の世代研究から新しく命名したものである。
 昨年来の食品やガソリンなどの値上げによる消費への悪影響が心配されているが、既に長期的に縮小しつつある巨大な消費市場がある。
 若者の「クルマ離れ」が進行中である。自動車工業会調査(「2007年市場動向調査」)によると、車所有世帯のうち30才未満の主運転者(運転頻度が最も高い運転者)の比率が95年の19%から07年は7%へと激減している。また18才から29才の若年層での自動車購入費の落ち込みが激しい(自動車購入費:00年と05年比較で30%ダウン(家計調査より))。その結果、新車販売台数は登録車(660CC以上)は10年来の漸減傾向が続いており、07年からは軽自動車も対前年割れし、中古車市場も縮小している。
 酒離れも進む。20代男性で飲酒習慣のある人は95年35%から05年には19%と減少、飲用率、飲用頻度、飲用量のどれもが低下している。「海外旅行離れ」(20代の海外旅行者数が96年から06年の10年間に35%ダウン(法務省、出入国管理統計))も顕著である。
 既に若年層の人口減少がはじまっているとはいえ、これら業界では、その程度をはるかに越えて市場が縮小している。このままいくと「いいお客さまにならないまま、将来の市場がなくなってしまう」と深刻に受け止められている。
 クルマ離れ、酒離れ、海外旅行離れにみられるような消費低迷は、単なる人口減少に伴う購入利用層の減少、消費トレンドの変化や購入層のライフステージ変化では説明できない世代変化によるものである。オンリーワン世代の言わば「消費離れ」によるものである。


本稿には当社代表・松田久一、並びに消費研究チームのメンバーによる議論・検討の成果が活かされております。あり得べき誤りは筆者の責に帰します。

 本コンテンツは、メンバーシップサービスにて先行公開中です。
 以降の閲覧にはメンバーシップサービス会員(有料)ご登録が必要です。

メンバーシップサービス会員ご登録についてはこちらをご覧ください。
メンバーシップサービス会員の方は、下記をクリックして全文をご利用ください。


(2008.07)

お知らせ

2024.03.25

当社合田執筆の「猛スピードのクルマはいらない」 これからの高齢化社会に必要な“まちづくり”とは何か? そのヒントは欧米になかった!」がメルクマールに掲載されました。

新着記事

2024.07.26

消費者調査データ 炭酸飲料(2024年7月版)  首位「コカ・コーラ」、迫る「三ツ矢サイダー」、高い再購入意向の無糖炭酸水

2024.07.25

24年5月の「広告売上高」は、6ヶ月ぶりのプラス

2024.07.24

24年5月の「旅行業者取扱高」は19年比で72%に

2024.07.23

24年5月の「商業動態統計調査」は2ヶ月連続のプラス

2024.07.22

企業活動分析 キユーピー株式会社 23年11月期は海外など好調で増収も原材料高騰で2桁減益に

2024.07.22

企業活動分析 カゴメ株式会社 23年12月期は引き続き海外事業がけん引し増収増益に

2024.07.19

企業活動分析 ライオン株式会社(2023年12月期) 増収も土地譲渡益の反動等で減益に

2024.07.19

企業活動分析 ユニリーバ(Unilever)(2023年12月期) 減収減益、事業部門の業績格差受け、新成長戦略を修正へ

2024.07.19

24年6月の「景気の先行き判断」は3ヶ月連続で50ポイント割れに

2024.07.18

24年6月の「景気の現状判断」は4ヶ月連続で50ポイント割れに

2024.07.17

MNEXT 円安は歓迎すべきかー過熱する円安論争

2024.07.16

企業活動分析 山崎製パン株式会社 23年12月期は大幅な増収増益で過去最高益に

2024.07.12

消費者調査データ スポーツドリンク・熱中症対策飲料(2024年7月版) 首位「ポカリスエット」、追い上げる「アクエリアス」

2024.07.11

24年5月の「消費支出」はふたたびマイナスに

2024.07.10

24年5月の「家計収入」は20ヶ月ぶりのプラス

2024.07.09

24年4月の「現金給与総額」は28ヶ月連続プラス、「所定外労働時間」はマイナス続く

2024.07.08

企業活動分析 大塚HD 23年12月期は売上は過去最高を記録、医療事業の減損損失で減益に

2024.07.08

企業活動分析 小林製薬の23年12月期は、R&Dや宣伝広告への積極投資を行い増収減益に

2024.07.05

成長市場を探せ 初の6,000億円超え、猛暑に伸びるアイスクリーム(2024年)

週間アクセスランキング

1位 2017.09.19

MNEXT 眼のつけどころ なぜ日本の若者はインスタに走り、世界の若者はタトゥーを入れるのか?

2位 2024.07.03

MNEXT コロナ禍の前中後の内食もどりはあったのか? -食欲望の現在-

3位 2024.03.13

戦略ケース なぜマクドナルドは値上げしても過去最高売上を更新できたのか

4位 2019.09.10

戦略ケース プラットフォームビジネスで急拡大するウーバーイーツ

5位 2024.03.08

消費者調査データ カップめん(2024年3月版)独走「カップヌードル」、「どん兵衛」「赤いきつね/緑のたぬき」が2位争い

パブリシティ

2023.10.23

週刊トラベルジャーナル2023年10月23日号に、当社代表取締役社長 松田の執筆記事「ラーケーションへの視点 旅の価値問い直す大事な切り口」が掲載されました。

2023.08.07

日経MJ「CM裏表」に、当社代表取締役社長 松田の執筆記事が掲載されました。サントリー ザ・プレミアム・モルツ「すず登場」篇をとりあげています。

ENGLISH ARTICLES

2023.04.17

More than 40% of convenience store customers purchase desserts. Stores trying to entice shoppers to buy desserts while they're shopping.

2023.02.22

40% of men in their 20s are interested in skincare! Men's beauty expanding with awareness approaching that of women

2022.11.14

Frozen Foods' Benefits Are Expanding, and Child-raising Women Are Driving Demand

2022.09.12

The Penetration of Premium Beer, and a Polarization of the Growing Beer Market

2022.06.20

6.9 Trillion Yen Market Created By Women― Will Afternoon Tea save the luxury hotels in the Tokyo Metropolitan Area