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(2008.09)
消費社会白書2009より
新しい消費の現実 求められる信頼価値
-不況を乗り切るマーケティング-
消費研究チーム

 消費者に「上がる物価、下がる収入」の生活実感が広がり、国内需要の勢いが止まりました。中国等の新興国の成長による資源の需給逼迫とアメリカのサブプライム問題等の金融不安に伴う投機マネーの流入による資源インフレが、戦後最長の景気拡大に終止符を打ちました。さらに、世界的な金融不安や国内外の様々な政治リスク等が、先行きの不透明感を高めています。
 景気の後退局面は、市場全体がシュリンクし脅威ですが、個々の製品、ブランドや企業にとってはチャンスでもあります。消費者は財布の紐を締めながら、消費水準を下げないようによりよい選択をしようとします。企業のマーケターは限られた予算を可能性のある製品やブランドに集中投資します。消費者の再選択も企業の再集中によって、市場の競争均衡が破られるタイミングです。つまり、この機は最大の競争地位の改善機会であり、成長チャンスでもあります。
 したがって、消費者を起点に生まれる新たな変化を自社にとっての機会と脅威として見極めることが重要です。大きなマクロトレンドは誰でも知っていますが、事業に直結するのは小さなマイクロトレンドを読み取ることです。小さな事実の積み重ねが「新しい消費の現実」です。そして、この現実に適応するマーケティング革新を進めることが不況期を乗り切る事業成功の鍵です。

 新しいマイクロトレンドが発見できています。
  • 自分よりも「世間体」を気にしている20代は49%に上る
  • 「個性(自分らしさ)」を求めているのは若者よりも60代女性で79%に上る
  • 勝ち負けにこだわる20代女性と戦いたくない20代男性
  • 「自分の力や能力を生かす」願望の低い地方20代と強い東京50代
  • 消費しない世代と注目される「ガールズ&ボーイズ」
  • 所得格差から地域格差へ、地域格差から意欲格差へ
  • 世界から人を吸引する東京の魅力は自由、成長チャンスと便利な街のインフラ
  • 何でも検索から始まる時代-ほぼ毎日携帯で「ググる」エイティーズ世代79%
  • 自分のデザイン、テイストなどの趣味に拘る選択は52%
  • 値上げによりブランドスイッチをする層は20%、逆に、ロイヤリティを高める層は10%
  • 相次ぐ食品偽装で、信じる自らの消費経験
  • ブランドとメーカーへの信頼が商品ブランド評価の下支えをしている
  • 高所得層ほどコンビニエンスストアの利用率が高い
  • 業種店が生き残る東京、どこへ行っても同じ大型ストアの地方
  • 7割の大勢が受け入れたメタボ対策
  • 家族がいるのにひとりAV視聴は32%に達する
  • 清潔好きの高齢層
  • スキンケアの日本、多頻度洗顔の中国、香りが化粧のアメリカ
  • 日米中で製品のローカル化が進む携帯などのAV機器

 そして、新しい消費の現実が要求するマーケティングソリューションの方向は「信頼の価値づくり」です。消費者と企業を結ぶのは価格とブランドです。この大切な信頼関係が、相次ぐ値上げによって、食品企業などの偽装によって失われました。消費者の再選択にどう対応するかの鍵は、ブランドと企業の消費者との新たな信頼づくりにあります。
 100を超える消費者のマイクロトレンドをご案内し、不況を乗り切るマーケティングの切り口と戦略づくりを、今後開催予定の「NEXT VISION 2009」でご提案する予定です。
 ご期待下さい。

消費社会白書 2009
新しい消費の現実 求められる信頼価値


続く混迷、その中でも業績を伸ばす企業が存在する。
消費者はより厳しい基準で企業を選択し始めているが、企業にとっては競争地位を
改善する最大の機会であると捉えることができる。
消費社会白書2009は、不況を乗り切る戦略を導くための新しい消費の現実を明かにした。詳細はこちらから

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