はじめに
日本経済は2019年に入って以降も、緩やかな景気回復の動きが続いております。その中身をみると、内需は堅調な反面、外需は低迷しており、好不調の格差がみられます。激しさを増す米中経済摩擦を始めとして、海外景気は波乱要因を抱えており、外需の先行きには心許なさがつきまといます。
国内景気に目を転じると、個人消費は健闘をみせていますが、消費を取り巻く経済諸指標にはピークアウトの気配がうかがわれ、消費マインドは悪化に拍車がかかっています。2019年10月からの消費税増税を控え、政府による消費税増税の影響緩和のための経済対策の効果もあってか、増税前の駆け込み需要は前回2014年4月時ほどには盛り上がってはおらず、そのため増税後の反動減の影響も以前よりも軽微で済むとの見方が有力です。ただ、+2%の税率上昇に伴う購買力低下という、持続的な増税インパクトに国内景気や消費がこのまま持ち堪え切れるのかどうか、非常に気がかりなところです。
シンクタンク各機関による今後の日本経済の見通しとして、2019年度から2020年度にかけては、内需主導で景気は持ち堪えていくシナリオから、景気回復に陰りが見え始める中で内需は低迷し外需頼みで景気は鈍化していくシナリオへと移行する、との見方が有力です。2019年10月からの消費税増税を節目に、2020年度には個人消費は低迷へ転じると目されているようです。
今号の概要は以下のとおりです。
「2019年度末に向けた消費の展望-消費税増税後の難局に挑む消費」では、前号が発刊された2018年7月以降の経済情勢を整理し、景気にピークアウトの兆しが見えつつある中で、2019年10月からの消費税増税に直面していく消費の現状と今後を概観します。
「購入への欲求形成プロセスの解剖-鍵を握る消費欲望クラスター」では、購入への欲求形成のプロセス全貌を明らかにする狙いに基づき行われた、弊社による独自調査結果をもとに、購入へと結びつきやすい「ホット層」発見への近道として、消費欲望クラスターの重要性を明らかにするとともに、欲求形成プロセスの各段階で必要な取組を総括するものとして、購入に結びつける上で重要な五つのポイントを示します。
2019年仲秋、日本経済の底流で生起しつつある変化の予兆を捉えて、一歩先を見据えた戦略的判断と行動の一助となることを企図して、「消費経済レビュー」第31号を実務家のみなさまにお届けいたします。
構成
2019年度末に向けた消費の展望-消費税増税後の逆風の影響- 伸び悩む消費
- 先行き不透明な雇用・収入環境
- 調整局面に入るマクロ経済
- 今後の消費の行方を占う
- 購入への欲求形成の仕組み
- 購入検討・非検討の意思決定を分ける消費欲望
- 欲求水準得点の分布とその変化パターン
- 欲求水準得点変化をもたらす誘引とトリガー
- 結語:購入に結びつけるためには
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