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ネット評判記 No.99
衆院選特集 民主崩壊?! 維新の会は伸びるか?
 
 第46回衆議院議員総選挙(以下衆院選)が2012年12月4日に公示され、12月16日に投票日を迎える。今回の衆院選では自民党、民主党などの既存政党に、日本維新の会(以下維新の会)を筆頭として、日本未来の党、国民新党などが第三極として名乗りを上げ、12党が入り乱れる混戦模様を呈している。
 今回のネット評判記では、衆院選、各政党への評価をみていく。
※このネット評判記のための調査は、日本未来の党結成発表前に実施されているため、調査に同党についての項目は含まれていません。

図表1.衆院選への関心度
 まず、今回の衆院選について、衆院選への関心度、投票予定の有無、支持政党などをみてみる。今回の衆院選への関心度は(図表1)、
  • 全体では68.6%が選挙に「関心がある」
  • 年代別では、年代が高くなるほど「関心がある」比率の上昇傾向がみられる
  • 性別年代別では、女性20代の関心が最も低い
という結果である。

 投票予定については(図表2)、
  • 全体では73.0%が「投票予定」としている
  • 年代別では、年代が高くなるほど「投票予定」比率の上昇傾向がみられる
  • 性別年代別では、女性20代の投票予定が最も低い
という結果である。
 現在の支持政党をみると(図表3)、
  • 自民党    12.2%
  • 民主党     8.4%
  • 維新の会    4.2%
となっており、自民党が高いものの、男性60代を除き、どの年代でも「支持政党なし」が最大勢力で、いわゆる「無党派層」のボリュームの大きさがうかがえる。

図表2.衆院選の投票予定の有無
図表3.ふだんの支持政党


 次に、現在の与党である民主党への評価と、維新の会への期待をみる。
 民主党は、2009年の政権獲得以来、当初の高い期待にも関わらず、3人の首相が交代するなど不安定な政権運営に終始、世論調査の支持率も大きく低下している。今回の調査でも、
  • 民主党政権を「評価する」人は全体で7.9%
  • 男女別では、男性10.1%に対し女性5.6%
  • 年代別では30代を底にして年代とともに緩やかに上昇する
  • ふだん民主党を支持している人でも「評価する」は43.5%と半数未満にとどまっている
 最近の政治問題や衆院選の争点などの項目別でみると、とりわけ評価が低いのは
  • 「中国の反日デモ、日本製品不買」や「竹島領有権問題」などの外交政策
  • 「財政赤字」「年金問題」「景気対策」
などである。民主党支持者であっても、「評価する」が半数を超える項目はひとつもなく、厳しい評価が下されている。

図表4.民主党への評価
図表5.項目別の民主党評価


 一方、第三極として登場した維新の会であるが、
  • 「期待する」人は全体で25.9%
と全体で約四分の一ほどである。性別年代別でみると
  • 女性の30代と50代で高い
という結果で、項目別にみると、
  • 「竹島領有権問題」「中国の反日デモ、日本製品不買」や「景気対策」など民主党への評価の低い項目で期待度が高い
  • 日本維新の会の支持層では「財政赤字」問題への期待が高い
民主党への失望が維新の会への期待につながっている可能性もある。

図表6.維新の会への期待
図表7.項目別の維新の会への期待


図表8.投票予定政党
 最後に、衆院選での投票予定政党をみたものが図表8である。全体では
  • 自民党    13.4%
  • 維新の会    8.7%
  • 民主党     5.0%
という結果で、支持政党別に投票予定政党みると、以下のとおりである。
  • 自民党支持者-自民党投票予定    78.9%
  • 維新の会支持者-維新の会投票予定  90.5%
  • 民主党支持者-民主党投票予定    50.6%
 支持層からの票固めも厳しい民主党に対し、自民党は基礎票を手堅くまとめている。
 維新の会は、支持者からの票は堅いと考えられるが、支持基盤自体がまだ小さいことや、期待度の高い女性30代が投票に積極的でないことなどから、話題性は高いものの、地滑り的な勝利は期待薄といえよう。
 ただし、投票予定をすでに決めている人をベースにみれば、自民党有利でそれを追う維新の会、という構図になるが、全体の半数以上にあたる56.6%がまだ投票先を決めていない。投票直前まで、この巨大な浮動票をめぐる戦いが続いていく。

(2012.12)





【調査設計】
調査手法:インターネットリサーチ
調査期間:2012年11月27日~29日
調査対象者:当社インターネットモニター 20歳~69歳
        全国の男女個人
有効回収サンプル数:1,012サンプル
サンプル構成(%)



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