半歩先を読む日本最大級のマーケティングサイト J-marketing.net

(2016.11)
消費者調査 No.238
トクホ飲料(2016年11月版)
伊右衛門特茶、黒烏龍茶、ヘルシア緑茶。メタボバスターのトクホが人気


 2015年度のトクホ(特定保健用食品)全体の市場規模は6,391億円で、前年比4.2%増となりました。今回の調査対象である清涼飲料水と乳製品(乳酸菌飲料、はっ酵乳など)の合計は、トクホ全体の約95%にあたる5,488億円にのぼり(日本健康・栄養食品協会)、大きな市場を形成しています。

 今回は、当社が任意に選んだトクホ飲料(清涼飲料水、乳製品)27ブランドについて、「知っている(認知率)」、「買って飲んだことがある(購入経験率)」、最近3ヶ月以内における「広告・記事(を見たことがある)」「店頭など(で見たことがある)での接触状況(3ヶ月内店頭接触)」、「3ヶ月以内に買って飲んだ(3ヶ月以内購入)」、さらに「今後(も)買いたいと思う」(今後購入意向)と「購入経験者における今後の購入意向(再購入意向)」という7項目について、インターネットモニターに対して行った調査結果をランキング形式でお届けします。

 今回の結果では、サントリーの「伊右衛門特茶」が7項目中5項目で首位を獲得した。2013年発売の「伊右衛門特茶」は、認知率、再購入意向では3位となったが、残りの購入経験率や店頭接触、広告接触、3ヶ月内購入、今後の購入意向で首位を獲得。特に3ヶ月内購入では2位に5ポイントの差をつけ、「今売れているトクホ」として頭ひとつ抜けた印象だ。

 同じサントリーの「黒烏龍茶」も、2位が5項目と強さをみせた。2006年発売のロングセラーで、「伊右衛門特茶」「黒烏龍茶」のサントリーの2品が上位を固める形となった。

 サントリーの2品を追うのは、「ヘルシア緑茶(花王)」「ヤクルト400(ヤクルト本社)」、「メッツコーラ(キリンビール)」、そしてやはりサントリーの「胡麻麦茶」である。

 トクホの用途別にみた場合、市場規模は「整腸」がもっとも大きいが、今回の上位商品をみると主要な用途に整腸を挙げているのは「ヤクルト400」のみで、体脂肪対策(「伊右衛門特茶」「ヘルシア緑茶」)、脂肪の吸収抑制(「黒烏龍茶」「メッツコーラ」)、血圧対策(「胡麻麦茶」)など、メタボや生活習慣病に関連するものが目立つ。メタボや生活習慣病の改善は、通常長いスパンで取り組むため、「飲み続けることで改善を図る」というトクホのありかたと親和性が高いことが、固定ユーザーの育成につながったとも考えられる。

 健康志向を背景に成長を続けてきたトクホ飲料ではあるが、懸念材料もある。2015年に制度導入された機能性表示食品との競争である。消費者庁長官の個別の許可を受ける必要のあるトクホに比べ、安全性及び機能性の根拠に関する情報の届け出だけで表示が可能な機能性表示食品は、トクホに比べて低コストでスピーディな開発が可能なことから、トクホの市場を脅かすとみられている。強力なブランドが市場の内外での競争を繰り広げるトクホ市場の今後が注目される。

 本コンテンツのグラフは無料会員サービス、詳細データは有料会員サービスでのご提供となっております。
 以降の閲覧には会員サービスへのご登録が必要です。

会員サービスのご案内についてはこちらをご覧ください。
会員の方は、下記をクリックしてグラフ・詳細データをご利用ください。





【提示27ブランド】
  • 健茶王(アサヒ飲料)
  • 三ツ矢サイダーW(アサヒ飲料)
  • 食事と一緒に十六茶W(アサヒ飲料)
  • アサヒパワーゴールド(アサヒ飲料)
  • ファイバー7500(アサヒ飲料)
  • カルピス酸乳アミールS(アサヒ飲料)
  • 伊右衛門特茶(サントリー)
  • 黒烏龍茶(サントリー)
  • ボスグリーン(サントリー)
  • 胡麻麦茶(サントリー)
  • ペプシスペシャル(サントリー)
  • ヘルシア緑茶(花王)
  • ヘルシアウォーター(花王)
  • ヘルシアスパークリング(花王)
  • ヘルシアコーヒー(花王)
  • ヘルシアモルトスタイル(花王)
  • ヤクルト400(ヤクルト)
  • Newヤクルト(ヤクルト)
  • ヤクルト蕃爽麗茶(ヤクルト)
  • スタイリースパークリング(伊藤園)
  • サッポロプラス(サッポロビール)
  • メッツコーラ(キリンビール)
  • からだすこやか茶W(コカ・コーラ)
  • ベジファイバー(デルモンテ)
  • 燕龍茶レベルケア(ダイドードリンコ)
  • ファイブミニ(大塚製薬)
  • イマークS(ニッスイ)

【調査設計】
調査手法:インターネットリサーチ
調査期間:2016年10月14日~19日
調査対象者:当社インターネットモニター 20歳~69歳
        全国の男女個人
有効回収サンプル数:1,039サンプル
サンプル構成(%)




お知らせ

2025.03.06

クレジットカード決済に関する重要なお知らせ

新着記事

2025.05.15

25年3月は「完全失業率」は悪化、「有効求人倍率」は改善

2025.05.14

自分で火をつけ自ら消火して英雄に - トランプ関税の顛末

 

2025.05.14

25年3月の「新設住宅着工戸数」は2ヶ月連続のプラスに

2025.05.13

25年4月の「乗用車販売台数」は4ヶ月連続のプラス

2025.05.12

企業活動分析 キリンHDの24年12月期は、増収もFANCL子会社化など積極投資で減益に

2025.05.09

トランプ関税を裏づける「購買による征服」の理論 - 安全保障の論理

2025.05.09

月例消費レポート 2025年4月号 消費は堅調に推移している - 波乱要因への政治的対応の巧拙が日本の消費の行方を左右

2025.05.09

消費からみた景気指標 25年2月は5項目が改善

2025.05.08

25年3月の「ファミリーレストラン売上高」は37ヶ月連続プラス

2025.05.08

25年3月の「ファーストフード売上高」は49ヶ月連続のプラスに

2025.05.07

なぜ井上尚弥選手はダウンしたのか

2025.05.07

企業活動分析 アサヒグループHDの24年12月期はプレミアム化の進展や価格改定効果などで増収増益に

2025.04.25

成長市場を探せ 少子化ものともせず、拡大する学習塾市場(2025年)

 

2025.04.24

25年2月の「広告売上高」は、10ヶ月連続のプラス

週間アクセスランキング

1位 2025.05.07

なぜ井上尚弥選手はダウンしたのか

2位 2013.03.22

MNEXT ビックカメラによるコジマの買収はメーカーを巻き込んだ衰退業界再編の始まり

3位 2024.05.10

消費者調査データ エナジードリンク(2024年5月版)首位は「モンエナ」、2位争いは三つ巴、再購入意向上位にPBがランクイン

5位 2024.06.21

消費者調査データ ビール系飲料(2024年6月版) 首位「スーパードライ」、キリンの新ビール「晴れ風」にも注目

ENGLISH ARTICLES

2023.04.17

More than 40% of convenience store customers purchase desserts. Stores trying to entice shoppers to buy desserts while they're shopping.

2023.02.22

40% of men in their 20s are interested in skincare! Men's beauty expanding with awareness approaching that of women

2022.11.14

Frozen Foods' Benefits Are Expanding, and Child-raising Women Are Driving Demand

2022.09.12

The Penetration of Premium Beer, and a Polarization of the Growing Beer Market

2022.06.20

6.9 Trillion Yen Market Created By Women― Will Afternoon Tea save the luxury hotels in the Tokyo Metropolitan Area