「Big data」はそのままの意味で解釈すれば、「巨大な量の情報」となります。ここ数年で言えば、Facebookやmixi、LINEなどソーシャル・メディアへの投稿をはじめとする、インターネット上に保存されたデジタルの静止画像や動画、アマゾンなどオンラインでの購買履歴やそれに伴うクレジット情報、さらには携帯電話のGPSなどのライフログというように多様なソースから日々生成されています。
世界でユーザー数が10億人を超えているといわれるFacebookはアクティブユーザー数が1日6.65億人、月間では11.1億人(2013年第1四半期)もあり、1日のデータ処理量は10テラバイト以上と推測されています。次の単位1ペタバイト(1,000テラバイト)という規模が日常的に使われるようになる日も近いでしょう。
しかし、昨今注目を集めているこのキーワードの本質は、単にデータ量のことにとどまりません。この多様で膨大なデータを、いかに適切に収集・管理、分析してビジネスに活用するかが企業の大きな課題となっています。ビッグデータの特徴は大きく三つあると考えます。ひとつは大前提となる「多量性」です。ふたつは「多種性」、前述したテキスト、画像、映像、ログといった構造的、非構造的で多様なデータの集積ということです。三つは「多頻度性」、これは「高速性」「即時性」といってもいいかもしれません。つまり、個人が所有する端末の進化、ネットワークの高速・大容量化、そして処理能力の向上により、リアルタイムでデータを活用できる環境になっています。
これまで企業の多くはデータ活用をたとえ顧客データであっても、活用目的は個々の顧客の属性ではなく、集計することによって得られる傾向情報が中心でした。しかし、Webサービス事業者では、顧客の個々の属性までを捉え、Amazonのような協調フィルタリングによるリコメンデーションのように細分化された情報を利用するようになっています。
現状はデータ処理に対する精度よりもスピードが重視されています。実際にAmazonを利用している方なら、「なんでこんな商品がお勧め?」ということも多々あるでしょう。Amazonは世界に市場を求め、より多くのユーザー数と購買実績から上記の三つの特徴をより高める戦略で、ネット通販市場における覇権を確固たるものとしようと自社だけにとどまらず、品揃え拡大と多様なパートナーシップによって規模の拡大を続けています。
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