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(2011.01)
月例消費レポート 2011年1月号
先行き不透明感で、足踏み状態続く。本格回復は2011年に持ち越し
菅野 守



1.はじめに
 2010年12月22日公表の2010年12月の月例経済報告によると、景気の現状については前月同様、「景気は、このところ足踏み状態となっている。また、失業率が高水準にあるなど厳しい状況にある。」とし、3ヶ月連続で基調判断を据え置いている。先行きについても前月と同様、「先行きについては、当面は弱めの動きがみられるものの、海外経済の改善や各種の政策効果などを背景に、景気が持ち直していくことが期待される。」とし、2ヶ月連続で判断を据え置いた。景気の下押しリスクをもたらす要因について、「海外景気の下振れ懸念や為替レート・株価の変動などにより、景気がさらに下押しされるリスクが存在する。また、デフレの影響や、雇用情勢の悪化懸念が依然残っていることにも注意が必要である」との言及も、3ヶ月連続で維持されている。
 個別項目を見ると、輸出は前月の「このところ弱含んでいる。」から2010年12月は「緩やかに減少している。」へと2ヶ月ぶりに下方修正されたが、その背景要因としてアジア景気の鈍化、電子部品などでの世界的な需要不振、円高で中東向けの自動車輸出が減少していること等が指摘されている。輸入は前月の「このところ増勢が鈍化している。」から12月は「横ばいとなっている。」へと2ヶ月連続で下方修正された。業況判断は前月の「改善している。ただし、先行きについては慎重な見方が広がっている。」から12月は「慎重さがみられる。」へと下方修正された。業況判断の下方修正は2009年4月以来20ヶ月ぶりのこととなるが、これは2010年12月の第147回日銀短観で大企業の製造業、非製造業ともに業況判断が7四半期ぶりに悪化したことを受けてのものだ。倒産件数は前月の「おおむね横ばいとなっている。」から12月は「緩やかな増加傾向にある。」へと下方修正されているが、これは2010年4月以来8ヶ月ぶりのこととなる。他方、生産や個人消費、設備投資などでは基調判断を据え置いており、こうした主要項目で変化が認められなかったことが、基調判断の据え置きにつながった模様だ。
 海外経済の現状については前月同様「世界経済は失業率が高水準であるなど引き続き深刻な状況にあるが、景気刺激策の効果もあって、景気は緩やかに回復している。」とし、判断を据え置いている。先行きについても同様、「緩やかな回復が続くと見込まれる」との判断を維持している。海外経済の先行きに対するリスク要因についても前月と同様、「ただし、回復のテンポは更に緩やかになる可能性がある。また、信用収縮、高い失業率が継続すること等により、景気回復が停滞するリスクがある。さらに、各国の財政緊縮をはじめ財政政策のスタンスの変化による影響に留意する必要がある。」としている。
 地域別にみると、ヨーロッパ地域に関しては、景気の現状について前月と同様、「景気は総じて持ち直しているものの、国ごとのばらつきが大きい。」とし、現状判断は基本的に据え置いているが、2010年12月には新たに「ドイツでは緩やかに回復している。」との文言が盛り込まれ、ヨーロッパ景気の持ち直し傾向をより印象付けた形だ。先行きについては、「基調としては緩やかに持ち直していくと見込まれる。」とし、前月と同様、判断を据え置いている。今後のリスク要因についても引き続き、「金融システムに対する懸念が完全に払拭されていないこと、高い失業率が継続すること等により、景気が低迷するリスクがある。また、各国の財政緊縮による影響に留意する必要がある。」との認識を示している。中国に関しては、景気の現状について前月と同様、「景気刺激策の効果もあり、景気は内需を中心に拡大しているが、拡大テンポがやや緩やかになっている。」とし、現状判断を据え置いている。先行きについても前月と同様、「テンポは緩やかになるものの拡大傾向が続くと見込まれる。」とし、判断を据え置いている。今後のリスク要因については、前月の「不動産価格や欧米向け輸出の動向に留意する必要がある。」から、2010年12月は「不動産価格や物価、欧米向け輸出の動向に留意する必要がある。」へと文言が修正され、物価、特にインフレに対する警戒感が新たに盛り込まれた格好だ。米国とインド、その他アジア地域は、現状と先行きともに判断を据え置きとなっている。
  月例経済報告に関する関係閣僚会議終了後の記者会見の中で、海江田万里・経済財政担当相は、報告の中にある「足踏み状態」という文言に関し、「踊り場の上にいるということで、階段を下に向かって歩いているということではない」との見解を示し、景気の下降局面入りを意味するものではないとしている。会見の中では同時に、関係閣僚会議の場で菅直人首相より2010年10~12月期GDP成長率の反動減を懸念する旨の発言が出された件も、海江田経済財政担当相より紹介されており、政府が引き続き景気の先行きに対する警戒姿勢を崩していない点も、併せて強調されている形だ。

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