| オープンアーキテクチャ戦略の限界 |
| 戦略分析チーム 舩木 副主任研究員 菅野 |
「系列化」等の「日本的経営」のビジネスモデルを否定し、21世紀の新しいビジネスモデルとしてもてはやされているのがオープンアーキテクチャ戦略である。その典型事例として、IBMやマクドナルド、ユニクロ(ファーストリテイリング)が賞賛された。ここでは、グローバルにデフレ圧力が高まる市場下で、今後もこのビジネスモデルが有効性を持つのか、あるいは新たなビジネスモデルが要請されているのかを検討したい。
オープンアーキテクチャ戦略と日本型のビジネスモデル、クローズド統合戦略との比較のうえでその特徴を再確認したい(図表1)。 オープンアーキテクチャ戦略とは、製品アーキテクチャを公開して事業の構成要素をモジュール化し、外部との効率的な垂直ネットワークを構築するビジネスモデルである。これに対しクローズド統合戦略は、製品アーキテクチャは自社独自のもので事業に必要な構成要素を内部化し垂直統合することで付加価値を「広く浅く」取り込むものである。 クローズド統合戦略が時代遅れとされたのは、クローズドな垂直統合型ネットワークがもたらす固定費の高さ、市場変化への対応スピードの遅さに加え、総合的な事業展開などによって高コスト化し資本効率が低いという指摘である。オープンアーキテクチャ戦略は、事業の「選択と集中」と外部ネットワーク化を利用した方が資本の効率性が良いという観点から構築されている。事実、アメリカ企業が再生し、ユニクロなど高成長企業が登場した。 だが、最近の状況をみると、オープンアーキテクチャ戦略にかげりがみえている。典型的には、ITバブル崩壊を契機としたアメリカの情報通信ベンチャー企業の業績低迷(たとえばルーセントテクノロジー社は従業員数を半数以下にまで削減)、マクドナルドやユニクロの大不振である。 ここでは、なぜ、オープンアーキテクチャ戦略がゆきづまりをみせているかについて、経営、マーケティングの観点からユニクロ、マクドナルド、日本IBMの3社を取り上げ、個別企業を経験的に分析し、ミクロ経済学、産業組織論的な分析も取り入れながら新しい可能性について提案したい。 | ||||
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本論文執筆は、当社代表松田久一による貴重な助言や協力のもとに行われました。ここに謝意を表します。 |
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