| 変わる日本のPB戦略 |
|
| 本稿は、「週刊エコノミスト2009年4月21日号」掲載記事のオリジナル原稿です。 | |
| 舩木龍三・大澤博一 | |
| プリント用画面(PDF)/会員専用 |
不況下でメーカーのナショナルブランド(NB)に対して、大手小売業の自社企画商品であるプライベートブランド(PB)の業績好調が伝えられる。大手小売業がPB比率を高める背景、割安PBの理由、PBの利益寄与の実際、多様化するPB戦略を整理し、変わりゆく顧客ロイヤリティ競争をみてみる。
1.不況下で高まる大手小売業のPB比率減収減益で苦しくなると、どの企業も利益率の高い商材に重点を置き、利益確保に努める。各社のPB比率の上昇はこの動きに合致したものである。特に、小売業の売上高に占めるPBの売上比率は、日本では5%程度に過ぎないが、ヨーロッパ各国では30%を超える国が多く、イギリスでは43%にまで達している。個別企業では、ドイツのディスカウンターであるアルディでは90%を超え、小売最大手のウォルマートが39%、二番手のカルフールで35%、三番手のテスコは50%といずれも高水準にある。 日本の小売企業は欧米の大手小売企業のPB成功に学び、PB比率をこの2~3年で10%~20%に拡大しようとしている。果たしてPB比率を上げることは収益につながるのであろうか。世界の小売上位30社のなかでデータ分析が可能な15社についてPB比率と収益性との関係を分析してみた(図表1)。利益率とPB比率は「U字型」の関係になっており、中途半端なPB比率は収益性を悪化させるということがわかる。日本の小売企業は、現在は儲かる水準にあるが、このまま単純にPB比率を上げていくと低収益ゾーンに入ることになり、PB比率をどの水準にもっていくか、あるいはどんなPB戦略を採るか、が問われている。
(2009.04)
本論文執筆は、当社代表松田久一による貴重な助言や協力のもとに行われました。ここに謝意を表します。 |
このコーナーの最新記事
このコンテンツに関するキーワードと関連コンテンツ
- 週刊ビジネスガイド2010年1月7日号 [3]
- 週刊ビジネスガイド2009年12月10日号 [2]
- 週刊ビジネスガイド2009年10月22日号 [4]
- 週刊ビジネスガイド2009年10月8日号 [1]
- 週刊ビジネスガイド2009年9月17日号 [3]
ウォルマート >>このキーワードに関するコンテンツ一覧
カルフール >>このキーワードに関するコンテンツ一覧
- 【マーケティングFAQ】外資系流通企業の日本市場での展開特徴
- 中国市場の現在 世界一は中国一になれるか?-ウォルマートの上海進出
- 提言論文 変わる日本のPB戦略(2009年)
- 提言論文 「平成16年商業統計速報」を読む
- 戦略ケース 幕張流通戦争勃発!幕張を征するのは誰だ!!(2001年)
セブン-イレブン・ジャパン >>このキーワードに関するコンテンツ一覧


1.不況下で高まる大手小売業のPB比率


