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HOME > JMRからの提言 > 提言論文 > 流通 > 提言論文 変わる日本のPB戦略(2009年)

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変わる日本のPB戦略
本稿は、「週刊エコノミスト2009年4月21日号」掲載記事のオリジナル原稿です。
舩木龍三・大澤博一
プリント用画面(PDF)/会員専用
 不況下でメーカーのナショナルブランド(NB)に対して、大手小売業の自社企画商品であるプライベートブランド(PB)の業績好調が伝えられる。大手小売業がPB比率を高める背景、割安PBの理由、PBの利益寄与の実際、多様化するPB戦略を整理し、変わりゆく顧客ロイヤリティ競争をみてみる。

1.不況下で高まる大手小売業のPB比率
 不況が小売業を直撃している。多くの企業が減収減益に喘いでいる。しかし、売上げのPB比率は高まっている。イオンの自社PB「トップバリュ」は08年2月期で2,647億円を売り上げ、08年8月中間決算では対前年138%と好調が続き、2011年2月期には7,500億円の売上を目標としている。この数字は08年2月期の小売事業(約4兆1,000億円)の18%に当たる。セブン&アイも07年6月にグループPB「セブンプレミアム」を発売、初年度に800億円を売り上げ、2010年2月期には取り扱い品目を600から1,300品目に拡大し、売上を3,200億円と大幅に伸ばす計画だ。このほか、大手小売業は軒並みPB品目数と、大幅な売上の拡大を計画している。
 減収減益で苦しくなると、どの企業も利益率の高い商材に重点を置き、利益確保に努める。各社のPB比率の上昇はこの動きに合致したものである。特に、小売業の売上高に占めるPBの売上比率は、日本では5%程度に過ぎないが、ヨーロッパ各国では30%を超える国が多く、イギリスでは43%にまで達している。個別企業では、ドイツのディスカウンターであるアルディでは90%を超え、小売最大手のウォルマートが39%、二番手のカルフールで35%、三番手のテスコは50%といずれも高水準にある。
 日本の小売企業は欧米の大手小売企業のPB成功に学び、PB比率をこの2~3年で10%~20%に拡大しようとしている。果たしてPB比率を上げることは収益につながるのであろうか。世界の小売上位30社のなかでデータ分析が可能な15社についてPB比率と収益性との関係を分析してみた(図表1)。利益率とPB比率は「U字型」の関係になっており、中途半端なPB比率は収益性を悪化させるということがわかる。日本の小売企業は、現在は儲かる水準にあるが、このまま単純にPB比率を上げていくと低収益ゾーンに入ることになり、PB比率をどの水準にもっていくか、あるいはどんなPB戦略を採るか、が問われている。

図表1.世界の小売大手企業15社のPB比率と・売上高成長性・営業利益率の関係


(2009.04)

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本論文執筆は、当社代表松田久一による貴重な助言や協力のもとに行われました。ここに謝意を表します。

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