要旨
多くの日本企業は、1980年代には強者であった。しかし、グローバル資本市場と産業構造の変化のなかで、特に製造業の多くが相対的な弱者へと転落している。ここでいう弱者とは、単に市場シェアが低い企業ではない。グローバル競争において、変革の主導権を握れない企業のことである。
本稿の主張は明確である。日本の製造業は、過去の製造業モデルへ回帰するのではなく、成熟した消費文化を土台に、製品・サービス・情報・体験・顧客接点を統合する「価値創造提供業」(VCO)へ転換しなければならない。そのためには、変化する業界構造を分析し、短期的な市場対応であるヨコ戦略だけでなく、過去の競争経験、現在の産業構造、未来の価値提供をつなぐタテ戦略が必要である。
