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公開日:2020年10月29日

気になるあの街に行ってみた! Vol.1 渋谷
いつ行っても工事中!若者から大人の街へとシフトし始めた渋谷再開発の今を巡る!(後編)
文・撮影/東郷奈穂子


 渋谷再開発ラッシュの最新スポット「レイヤード ミヤシタパーク」が、2020年8月4日、コロナの影響により約1ヶ月遅れでグランドオープンしました。そこは、これまでの高層ビル群とはまったく異なる空間。高く高く建設するバブリーな建築にストップをかけるようなエンターテインメントな新スポットとして誕生しました。

 その前身は、ご存じ「宮下公園」。明治通り沿いにあった細長い公園で、一階部分は駐車場になっていました。1930年頃に公園が開設された時は、道路と同じ高さにありましたが、東京オリンピックが開催された年に高架の人工地盤となったため、公園の下の地上部分には駐車場が設置され、当時は「東京初の空中公園」として話題を集めたそうです。


 しかし、オシャレな若者を誘導しようとしたものの、実際に集まってきたのは多数のホームレス。都心のオアシスは、いつしかホームレスたちのホームになってしまったのです。その再整備をするために渋谷区が行ったのが、公園の命名権の売却。そして、ナイキ・ジャパンが10年契約で命名権を取得し、「宮下公園」は「宮下ナイキパーク」となり、スケートボード場などが設置され、渋谷区もホームレスの立ち退きを行ったのです。この件については、様々な反対運動が勃発したため、改修工事は延期。ナイキも命名権料を支払ったうえで、名称を使用することなく途中解約し、結局は「宮下公園」という名前のまま2011年にリニューアルオープンしました。

 そして9年後の今年、三井不動産と西武造園で構成された「宮下公園パートナーズ」と渋谷区が官民一体型の新しい形の公園として誕生させたのが「レイヤード ミヤシタパーク」。全長330メートル。渋谷駅側の南街区(4階建て)、表参道側の北街区(3階建て)、北街区の北側にあるホテル棟(4~18階)の3区画からなる複合型ショッピングセンターです。4階部分はすべて「渋谷区立宮下公園」。かつては、公園より下層階の駐車場の方が目立ち閑散としていた公園が、オシャレスポットとして生まれ変わったのです。


レイヤード ミヤシタパーク 外観
レイヤード ミヤシタパーク外観

 商業フロアには、約90店舗が出店。南街区の北寄りにはアディダスの旗艦店「アディダス ブランド センター」や三井不動産グループの法人向け多拠点シェアオフィス「ワークスタイリング」などが設置されています。また、北街区の1、2階は、世界初となる「ルイ・ヴィトン」のメンズ旗艦店をはじめ、「グッチ」「バレンシアガ」「プラダ」「コーチ」など、ラグジュアリーなハイブランドが建ち並び、一際輝きを放っています。


ハイブランドのショップが並ぶ商業フロア
ハイブランドのショップが並ぶ商業フロア

 北街区の3階の飲食店街は、中国、スペイン、シンガポールなど世界の味が楽しめるインターナショナルなレストラン街に。コロナ禍で海外旅行ができない今、ここに行くだけで本場の美食を堪能しながら最高の旅行気分が味わえるはずです。

 同じく北街区にあるホテル部分には、三井不動産ホテルマネジメントの次世代型新ホテルブランド1号店「シークエンス・ミヤシタパーク」が開業。18階建てで客室は240室。「PARK MIND」をコンセプトにした心地よい空間が都心にいることを忘れさせてくれます。

 一方、南街区2階には、大人気のベーカリーカフェ「パンとエスプレッソ」の姉妹店「パンとエスプレッソとまちあわせ」が誕生。渋谷の新しい待ち合わせ場所として注目されています。さらに、東京限定のお土産品などを扱う「ザ・シブヤ・スーベニアストア」などもあり、ラグジュアリーな北街区に比べ、カジュアルな雰囲気を作り上げています。

 南街区の3階には、多国籍料理が楽しめる「フードホール」も。NYスタイルラーメン店日本1号店「KUROOBI(黒帯)」や人気のアメリカンチャイニーズ「PANDA EXPRESS(パンダ エキスプレス)」、メキシカンファストフードの「Taco Bell(タコ ベル)」など、出店するレストランはどれもグローバルで、まるで海外にいるかのような錯覚さえ覚えます。

 さらに、同階には「フードホール」以外にも魅力的な飲食店が数多集結。例えば、カリフォルニア発祥のスムージー専門店の日本1号店「Jamba(ジャンバ)」、天狼院書店が手掛ける「天狼院カフェSHIBUYA」、スケートボード専門店「instant skateboards」、高タンパク低カロリー料理専門レストラン「筋肉食堂」、ジブリファン必見のアメカジブランド「GBL」など、こちらも実に多彩。国内外の名店が揃います。

 そして、最上階の4階が「渋谷区立宮下公園」。園内には、スタイリッシュなベンチが点在する「芝生広場」や「ボルダリングウォール」、スケートボードとインラインスケートができる「スケート場」。さらに、ビーチバレーやビーチサッカーなどのサンドスポーツが楽しめる「多目的コート」などが設置されています。また、デザイン集団「フラグメント デザイン」主宰の藤原ヒロシ氏がプロデュースした「スターバックスコーヒー」では、ミヤシタパーク限定グッズも販売。開園時間は、8時から23時(スタバは22時)までです。


生まれ変わった宮下公園
生まれ変わった宮下公園1

生まれ変わった宮下公園2

生まれ変わった宮下公園3


 ということで、「レイヤード ミヤシタパーク」の全貌を紹介しましたが、これまで立て続けに誕生してきた高層ビル群とは明らかに異なる独自の個性を持つニュースポットだということがお分かりいただけましたでしょうか。4階建ての低層ですが、今回の再開発においては、それがかえって目立っているのです。

 表参道側の北街区の外観はどことなくカリフォルニアやハワイのショッピングタウンを思わせるし、渋谷駅側の南街区のエントランスは、まるで「千と千尋の神隠し」の舞台を彷彿させる異国情緒を放っています。そう、ここは、一見混ざり合わないようなふたつの世界観を見事に融合させたカオスな魅力に溢れているのです。


渋谷横丁 外観
渋谷横丁 外観

 中でも目玉は、南街区の1階でハデハデな赤ちょうちんをぶら下げる全長100メートルの「渋谷横丁」。「恵比寿横丁」を手掛けた浜倉好宣氏がプロデュースしたレトロなフードエリアです。北海道から沖縄までの全国各地のソウルフードから、韓国、喫茶スナックなどまでの全19店舗が勢ぞろい。それぞれオリジナリティのある暖簾が掲げられた店内では、各地方のふるさとの味や地酒など、日本中のご当地グルメが頂けます。気になるお店をはしごすれば、渋谷にいながら北海道から九州もひとっ飛び。気軽でお得なグルメ旅を楽しむこともできます。さらに、横丁内各店の料理はデリバリー注文も出来るので、ご当地餃子やラーメンなどの食べ比べも可能。テイクアウトして4階の公園でいただくのもオススメです。店舗の扉を設けず、オープンエアなテーブルを設置した屋台仕様なので、コロナが気になる方も安心していただけます。


横丁のメニューはデリバリー対応
横丁のメニューはデリバリー対応

 「横丁」といえば、若者の街でひっそりと頑張ってきた昭和のディープな「のんべい横丁」も健在で、今は「渋谷横丁」への通り道にもなっています。「のんべえ横丁」から「渋谷横丁」へと向かう道は、まるで昭和と令和をつなぐタイムトンネル。ふたつの異なる横丁を巡りながら時間旅行できる不思議な空間です。

 「渋谷横丁」は、音楽やファッションでリバイバルブームが巻き起こっている今という時代にもマッチした新感覚の横丁なのです。


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著者プロフィール

東郷奈穂子

放送作家。
日本脚本家連盟、日本放送作家協会会員。
コピーライターから放送作家に転身後、日本テレビ「11PM」でデビュー。番組における最初で最後の女性作家に。テレビ、ラジオ、イベントなど数々の番組等に関わり、1993年渡米。NY、イスラエル、ロンドンでの約7年の居住を経て帰国。その後は、番組構成をはじめ、雑誌ライター、書籍の執筆、イベント運営など、幅広く活動している。既婚。2児の母。

コピーライター作品「フルムーン旅行」
放送作家作品「テレビ東京/出没!アド街ック天国」ほか


連載:気になるあの街に行ってみた!


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